連日テレビや新聞で報道され、農水相が責任を取って辞任する社会問題になっている「事故米」の不正転用問題について、公明党農水部会長西博義衆院議員へのインタビューを中心にまとめました。
そもそも「事故米」と「汚染米」は全く別のもの
参考写真 「事故米」とは、そもそも政府が買い入れた米が保管中に、倉庫の雨漏りなどで濡れたりカビが生えるなどしたもので、食用にふさわしくない米のことをいいます。
 問題の背景には、1993年のウルグアイ・ラウンド農業合意で日本が海外から受け入れることを約束した「ミニマム・アクセス米」があります。ミニマム・アクセス米は通常、工業用や飼料用に使われています。
 今回の事態は、従来の事故米とは異なり、このミニマム・アクセス米の中にメタミドホスなどの残留農薬が基準値を超えた“汚染米”が見つかり、これを買い入れた業者が食用に不正転売したことが問題になっています。
 2006年、公明党の推進もあり食品衛生法が強化され、農薬検査に「ポジティブ・リスト」制度が導入され、以後農薬に汚染された米の輸入は排除されました。が、検査の結果、それ以前の在庫の中に基準を上回る米が見つかりました。
 農林水産省はこの汚染米を工業用と申し渡しながらも、事故米と同様に扱うという決定的な判断の誤りをしたのです。この認識の甘さが、今回の事態を引き起こす原因となっています。
 食用に不正転売した事業者の悪質な行為は断じて許されるものではありません。一方、農水省は売り渡した業者が間違いなく工業用として加工しているかチェックをしていましたが、これは検査というには値しない形式的な立ち会いでしかありませんでした。販売を担当する部門と買い取り業者の検査を担当する部門が同じだったことや、厳格な検査マニュアルがなかったことも看過できない事実です。
 さらに、問題が発覚した8月、汚染米が食用に出回っているとの通報を受けた初動段階の対応もお粗末でした。昨年1月に内部告発があった時も動かなかったのです。ことの重大性に対する認識が余りにも甘かったと言わざるをえません。
 公明党は、問題が発覚した直後の9月9日、農水相に対して、(1)不正転売の徹底調査と実態の公表(2)事件を起こした責任者と会社への刑事告発(3)残留農薬の基準値を超える米の輸入停止――などを要請し、11日には福田首相に対し風評被害を被った事業者への金融支援など救済措置などを追加した申し入れを行いました。党農林水産部会でも16日、鹿児島県内の焼酎製造会社に直接出向いて実情を調査しました。18日には自民、公明の与党調査団が三笠フーズ九州工場を視察しました。
 政府は、問題のある米は国内に入れないことや検査方法を含めた再発防止策の検討、転売ルートの調査や刑事告発の実施、米のトレーサビリティ(履歴管理制度)の導入を確約しました。
 今後は、汚染米と知らずに関わった会社を含めた風評被害への救済策が大切です。全食品へのトレーサビリティの早期実現、来年発足をめざしている消費者庁を要にした、縦割りを排した消費者重視の行政への転換に全力を挙げるべきです。
(写真は、9月18日、与党調査団が三笠フーズ九州工場を実地調査した模様)
参考:非食用の事故米穀の不正規流通米について(農林水産省のHPにリンク)