斉藤環境相(公明)省内に「全廃」を指示
参考写真 10月6日の衆議院予算委員会で、斉藤鉄夫環境相(公明党)は、「環境省はタクシーチケットを廃止する」と明言。公明党が行政のムダ一掃に向けた「10の挑戦」で掲げている「全省庁でのタクシーチケット廃止」が、実現へ向けて一歩前進しました。既に使用停止に踏み出している国土交通省に続き、環境省の取り組みは2例目になります。
 斉藤環境相の発言は、6日の衆院予算委で公明党の赤羽一嘉議員の質問に答えたものです。この中で赤羽議員は、行政改革の視点として「民間レベルから見て非常識なものは一掃すべきだ」と主張。政治家や官僚が襟を正し、「各省庁のタクシーチケットは廃止すべきだ」と述べ、政府に決断を迫りました。
 これに対して、答弁に立った斉藤環境相は「環境省は少ない人数で多くの仕事をしており、深夜残業やタクシーの利用が最も大きい役所の一つ。チケットの廃止を内々に事務方に検討させたところ、チケットなしに合理化できることが分かった」と説明し、「チケットの廃止を指示した」と言明しました。
 一方、国交省は、6月23日から本省職員4000人を対象に、タクシーチケットの利用を停止しています。中央省庁の職員が深夜帰宅時にタクシー運転手からビールや金品などを受け取っていた、いわゆる「居酒屋タクシー」問題を踏まえ、冬柴鉄三国交相(当時)が「安易な使用をなくしたい」と決断しました。
 これにより、国交省は、やむを得ずタクシーを使う職員は上司の許可を取り、代金を立て替え、領収書を添えて後日精算しています。民間企業であれば一般的だが、チケット停止後の1カ月間で同省のタクシー代は、例年の1億円程度から1割以下の600万円にまで激減しました。
 国交省は2カ月間の試行期間を延長し、現在も使用停止を継続しています。
 各省庁や衆参両院など公的機関の職員はタクシーチケットをどれくらい利用しているのか。公明党の「税金のムダ遣い対策検討プロジェクトチーム」(山下栄一座長=参院議員)が、2006年度決算から調査したところ、78億円余に上ることが判明しました。
 使用停止した国交省のケースから試算すると、全省庁で年間、70億円規模のムダ削減につながるとみられます。
 公明党はタクシーチケットの全廃を促すため、太田昭宏代表が10月2日の衆院代表質問で「全省庁のタクシーチケットの廃止をはじめ行政管理経費の大幅削減などに取り組む必要がある」と強調。さらに浜四津敏子代表代行が3日の参院代表質問で「国民の目から見ると、長い間、こんなムダ遣いが放置され続けたことは言語道断。今すぐ、全省庁のタクシーチケットを全廃すべき」と訴えました。
 また、9月23日に自民、公明両党で交わされた連立政権合意にも、「タクシーチケット、レクリエーション経費、広報経費など全省庁の行政管理経費の大幅削減」を盛り込んでいます。