アシアナ航空が定期便就航へ/茨城空港
朝日新聞(2009/1/9)
 就航便が決まっていない茨城空港に、韓国の大手航空会社「アシアナ航空」が今月中にも定期便の就航を表明することが、関係者の話でわかった。羽田・成田両空港の発着枠拡大や世界的な景気低迷で地方空港を取り巻く環境が厳しくなる中、県は就航路線を獲得できた実績を踏み台に、国内外の就航便誘致に弾みをつけたい考えだ。(川上裕央)
 関係者によると、アシアナと県が早ければ月内に合意し、両者がそれぞれ就航を発表する見通し。アシアナ側は茨城空港の東京との近さや、ターミナルビル1階に発着機能を集中させるなどの低コストな面を評価したと見られる。
 アシアナ航空はこれまで、発着枠拡大に伴う羽田空港への便数の増加も同時に視野に入れ、国内への路線拡大を進めてきた。県の誘致にも前向きな姿勢を示していた。
 県もアシアナを最初に就航合意できる航空会社と期待。韓国旅行者が日本のゴルフ場や温泉に関心が高く、栃木県など隣県の観光地にもアクセスしやすい「メリット」を売り込んでいた。
 昨年7月には橋本昌知事が自らソウルを訪れ、茨城空港の就航問題に関しては初めて、海外でトップセールスに臨んだ。柳明桓・外交通商相や錦湖アシアナグループの朴三求会長らと会談し、開港時の茨城―仁川間の定期便就航を要請した。
 しかし、訪問直前、日本政府が中学校の新学習指導要領の解説書に竹島(韓国名・独島)領有問題を盛り込んだことで、外相と同社幹部はともに「竹島問題の解決が先決。状況を見ながら対応していきたい」と先送りにしていた。
 県は「竹島問題が解決すれば可能性が高い」(橋本知事)として就航誘致を継続。橋本知事は8日も、周囲に「韓国便の就航は間違いなくできる。アシアナ航空に働きかけている」と漏らしていた。
 アシアナとの合意を実績にして、県は今後、マレーシアの格安航空会社エアアジアXをはじめとしたアジアの航空会社や、国内の航空会社との交渉を進める。

アシアナ航空が所有する「エアバスA330−300型機」 茨城空港のLCC就航の話題は、エア・アジアXが先行してきらいがありましたが、1月9日付の朝日新聞は「韓国の大手航空会社『アシアナ航空』が今月中にも定期便の就航を表明する」との記事を掲載しました。情報の出所を「関係者の話でわかった」としか記載していないため、記事の信憑性の確認は出来ませんが、昨年7月の橋本知事の訪韓以来事務レベルでの交渉は継続していたのは事実です。
 ただし、井手よしひろ県議の問い合わせに対して、県の空港対策課もアシアナ航空自体も、朝日新聞の取材に「就航表明の可能性や具体的な時期などについて取材に応じた事実はない」と回答しています。
 一方、橋本知事は7日の茨城県日韓親善協会の新年会で、「(平成20年)7月にはソウルを訪問し、アシアナ航空の幹部と懇談の機会を持った。大変前向きな答えをいただいているところで、近い将来間違いなく就航表明をしていただけると期待している」と語っており、就航発表の時期がいつになるかの問題はあるにしろ、アシアナ航空との交渉は順調に進んでいるとみるべきだと思います。
(写真はアシアナ航空が所有する「エアバスA330−300型機」、出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
参考:アシアナ航空のHP(日本語版)

(2009/2/2更新)
 2月2日午後、韓国アシアナ航空は茨城県庁内で記者会見を行い、来春3月開講予定の茨城空港に定期便を就航させることを発表しました。
 就航するのは茨城空港=ソウル(仁川)空港で、1日1便のディリー運行となります。使用する機材はエアバスA320になる見込みです。さらに、開港後数ヶ月の間に茨城空港=釜山空港にも週3便程度就航させることも発表しました。
 詳しくは「韓国アシアナ航空が茨城空港に定期便就航」をご覧下さい。