経済政策総動員し 景気“総崩れ”に歯止め
 「100年に一度の危機」が、いよいよその姿を現し始めてきた中で、民主党など野党は2008年度第2次補正予算の執行に必要な関連法案の審議を約1カ月も引き延ばした揚げ句、ようやく9日に審議入りすることになりました。この未曾有の経済非常時に、どの政党が何を主張し、どう行動したか、国民にはしかと見届けていただきたいと思います。
 今年に入って明らかになった昨年12月時点の経済指標は、軒並み予想を上回る悪化を示しています。景気拡大を牽引してきた輸出は、前年同月比35%も減少し、過去最大の減少幅になりました。企業の生産活動の好・不調を示す鉱工業生産指数(05年=100)は、前月比9.6%も下がり84.6%。これも過去最大の下落率です。完全失業率は前月比0.5ポイント悪化し4.4%。悪化幅は1967年3月と並ぶ最大のものです。2人以上の世帯の消費支出は、前年同月比4.6%減で10カ月連続のマイナスを記録しました。
 明らかに日本経済は、輸出の大幅減→生産縮減→雇用悪化→個人消費の冷え込み→生産縮減という“負の連鎖”に陥り始めています。こうした非常時にあって、財政、金融などあらゆる経済政策を総動員し、まずは急速な景気悪化にブレーキをかけなければなりません。
 そのために08年度第1次、第2次補正予算、09年度予算案・税制改正に事業規模75兆円の切れ目なき総合経済対策が盛り込まれたのです【以下の図を参照】。
参考写真
“政争の具”にする野党・民主党の責任重大
 これには生活者、雇用、中小企業、地域活性化の観点から「今できること」が、すべて網羅されていると言っても過言ではありません。例えば生活者支援には定額給付金に加え、子育て応援手当、妊婦健診の無料化などが含まれています。
 雇用に関しては非正規労働者への支援策や自治体による雇用創出のための基金、中小企業支援では、緊急保証・貸付枠の30兆円への拡大などが盛り込まれています。地域活性化の分野には高速道路料金の大幅引き下げなどが盛り込まれています。
 さらに来年度税制改正に盛り込まれた過去最大規模の住宅減税は、2.6兆円の投資拡大、5.3兆円の経済波及効果が見込まれています。中小企業減税や環境対応車(エコカー)減税も、今、必要不可欠な措置として掲げられました。
 こうした個別の政策が互いに連動し、相乗効果を発揮してGDP(国内総生産)を下支えする役割が期待されているのです。75兆円の中から意図的に2兆円の定額給付金だけを取り出して、「毒まんじゅう」「公明党の選挙対策費」(民主党・菅直人代表代行)などと悪罵を投げつけ、経済対策全体の発動を遅らせてきた野党の責任は、あまりにも重いものがあります。景気後退は既に16カ月目に入っています。今、経済対策を速やかに発動しなければ、不況が長引き、苦しむのは国民です。野党は、予算・税制を“政争の具”とする「政局第一」を即刻やめるべきです。