3月3日、日立市みなと町の茨城厚生年金健康福祉センター「ウェルサンピア日立」を所有する独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)は、サンピア日立の競争契約入札を公告しました。
ウェルサンピア日立の競争契約入札公告
・最低落札金額  330,000,000円
・入札参加申し込み期限  平成21年4月24日        
・入札日   平成21年 5月8日 13時
・開札日   平成21年 5月8日 13時以降
・契約期限  平成21年5月22日 売買代金の10%
・引渡し日  平成22年4月20日
入札公告(PDFファイル)

参考写真 「ウェルサンピア日立」(日立市みなと町)は、国が厚生年金や国民年金の保険料を使って全国に建設した施設の一つです。1987年に開館し、宿泊室や結婚式場、テニスコート、屋内スケート場などを備え、単なる宿泊、健康増進施設にとどまらず、地域の活性化の拠点、地域コミュニティの中核施設として親しまれてきました。厚生年金事業振興団が運営し、2006年度は約26万4千人が利用。経営も黒字を出しています。
 しかし、こうした年金関連の施設は「年金保険料の無駄使い」との批判を背景に、独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構」(RFO)が、一般競争入札で民間や自治体に、来年9月までに売却されることになりました。ウェルサンピア日立も対象になっており、その競争契約入札が公告されました。
 地元のコミュニティ推進会と久慈町観光協会などは、「地域に必要な施設であり、運営を継続してほしい」として、昨年来、久慈学区、大みか学区、坂下学区の三地域で署名運動を行いました。その結果、1万人以上の署名が集まり、樫村千秋日立市長に提出されました。
 こうした動きを受けて、樫村市長は3月の定例議会に、入札に参加するための予算措置(入札参加のための保証金)と5億円を限度とする債務負担行為に同意を求める議案を提出しました。
 これが議会で認められると、5億円を限度に日立市は5月8日に行われる入札に参加することになります。最低落札価格は、3億3千万円に設定されていますので、入札に参加する自治体や事業者は、その金額以上で他の参加者より1円でも高い価格で入札した参加者が落札できることになります。

(2009/5/9更新)
 2009年5月8日、サンピア日立の一般競争入札が行われ、日立市が3億4500万円で落札しました。詳しい経緯は、「サンピア日立、日立市が3億4500万円で落札」をご覧下さい。
「ウェルサンピア日立」売却 日立市応札へ
朝日新聞(2009/3/7)
 年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)は6日までに日立市みなと町にある「ウェルサンピア日立」の土地建物の売却を一般競争入札方式で実施する、と公告した。最低売却価格は3億3千万円。4月24日まで入札申し込みを受け付け、5月8日に入札を実施、結果を公表する。
 ウェルサンピア日立については同市南部の地元が「地域に必要な施設で、市が運営を継続してほしい」と1万人以上の署名を集め、市による買い上げを要望していた。これを受け、日立市も3月市議会で審議中の新年度予算に5千万円の入札保証金と5億円の債務負担行為を盛り込んだ。
 樫村千秋市長は入札公告について「5億の範囲内で(他の応札者の動向などの)情勢を見ながら価格を決めたい。落札しても市には施設運営ノウハウがなく、専門家の知恵を借りたい」と話した。
 ウェルサンピア日立は87年に開業、2.8ヘクタールの敷地に鉄筋3階建ての客室24室、レストランのほかアイススケート場などを備えている。07年度には約26万人が利用し、固定資産税が免除されていることもあり、収支は425万円の黒字。ウェルサンピアを落札できた自治体は、08年1月の愛媛県伊予市だけで、落札額は約7億8590万円だった。

ウェルサンピア日立、最低売却価格は3億3000万円
毎日新聞(2009/3/7)
 独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)」の所有する日立市みなと町の厚生年金健康福祉センター「ウェルサンピア日立」の土地・建物の最低売却価格が3億3000万円と公示された。日立市が入札参加を予定し、新年度予算案に入札・契約保証金として5000万円を計上している。樫村千秋市長は「雇用確保のため5億円以下なら応札する予定だ」と述べていた。施設は87年にオープンし、宿泊や屋内スケート場、体育館などを備えている。一般競争入札で、受け付けは4月24日まで。入札日は5月8日。