参考写真 この3月は「女性の健康週間」(3月1〜8日)です。
 女性の健康を守るためには、がん対策充実が避けられない課題です。がんは日本人の死因の第1位を占め、年間に約34万人(2007年)、およそ3人に1人が、がんで亡くなっています。しかし、日本人のがん検診の受診率(2007年国民生活基礎調査)は、80%前後の欧米に比べると、特に女性特有のがんである子宮がんが21.3%、乳がんが20.3%と低迷しています。
 公明党の推進などで07年6月に閣議決定した「がん対策推進基本計画」では、がんを早期発見するため、検診受診率の目標を「5年以内に50%以上」と明記しています。しかし、このままでは達成は難しいという声が多いのも事実です。
 がん検診も重要ですが予防も大切です。例えば、子宮頸がんは予防ワクチンが日本で承認され、予防接種をすれば、ほぼ100%防げます。公明党はワクチンの早期承認と予防接種の実施をめざしています。
 公明党茨城県本部では、街頭活動などを通して、子宮頸がん予防の重要性などを啓発するとともに、国や県に対して女性のがん対策の充実を求めています。
 その具体的な内容は、若い世代から子宮がん検診受診率の向上を図るとともに、子宮頸がんについてはウイルス感染が原因であることから、予防ワクチンの早期承認・普及を求めています。
 また、乳がんに有効なマンモグラフィー(乳房X線撮影)による検診の拡充。女性専門の「日帰りがんドック」と、主に働く女性のための「土曜がん検診」の開設などを求めています。
一刻も早い子宮頸がんワクチンの承認を
参考写真 日本では子宮頸がんが、年間7000人が発症、2500人が亡くなっています。しかし、検診とワクチンの投与でほぼ100%予防できます。ワクチンの承認と、2割にも満たない検診受診率の向上を急がなければなりません。
 米国メルク社が開発した初の子宮頸がん予防ワクチン「ガーダシル」が、2006年6月に米国で承認され、9月には欧州でも承認されました。最近、英国グラクソ・スミスクライン社が開発した子宮頸がん予防ワクチン「サーバリックス」が、オーストラリアで承認されています。わが国でも、現在、2社がワクチンの承認申請をしています。
です。HPVは、7〜8割の女性が一生のうち一度は感染し、9割以上は自然に消滅するといわれています。一部の女性で長期化し、がんを発症するとされています。
 子宮頸がんの主な原因は、性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染
 HPVには多くのタイプがありますが、ワクチンで防ぐことができるのは、全体の7割を占めるとされる2種類です。この2種類への予防効果は高いですが、感染したすべてのHPVを除くことができるわけではありません。性交未経験の若い世代に接種することが求められています。このため、ワクチンの承認だけではなく、検診受診率の向上も同時に進めていくことが重要になります。子宮頸がんは、定期的に検診を受けていれば、がんになる前の段階で見つけることができます。早期に治療を行えば、子宮を摘出することなく完治することができるため、その後の妊娠や出産にもほとんど影響がありません。
 欧米では、周知が進み、女性の検診受診率が高くなっています。子宮頸がんは、一般には30〜40代で多くなっていますが、日本では20代から30代で急増しています。
 一方ではワクチンをいち早く承認、無償提供を行う国があります。その一方で、日本が予防可能ながんに手をこまぬいているとすれば、見過ごすことはできません。
 公明党では、早くから子宮頸がん対策に取り組み、2007年10月の参院予算委員会で浜四津敏子代表代行が、検診受診率の向上と、子宮頸がんワクチンの早期承認を求めています。
 これに対し、舛添要一厚生労働相は、子宮頸がん検診の受診率が18.9%にとどまることを明らかにし、受診率を50%以上に引き上げる決意を表明。また、平均して4年かかるわが国での新薬の承認を「5年以内に米国並みの1.5年に縮めたい」と述べ、子宮頸がんの感染予防ワクチンについても早期承認に全力を挙げる方針を明言しています。
 すでに、この答弁から1年半を経過しており、一刻も早いワクチン承認が望まれています。
(写真は、参議院予算委員で子宮頸ガン対策について質問する浜四津敏子公明党代表代行。2007年10月)
Dr.北村 ただ今診察中
毎日新聞(2006年4月6日)
ワクチン開発、子宮頸がん予防に朗報
 子宮頸がんの原因がHPVにあることはよく知られています。東京都内の高校で保健室に相談に来た女子高校生による自己採取法の結果では、クラミジア陽性率が18.3%、高リスクHPV陽性率は31.9%と、HPV感染率のほうが多いことがわかります。年齢と高リスクHPV検出率との関係を見ても、10歳代、20歳代前半が高いものの、それ以降、陽性率は急激に低くなっています。子宮の入口に見られる若い女性に特有の組織学的な特徴がHPVへの感染を加速させることを物語っています。多くの場合、HPVは自然に消失しますが、リスクの高いHPVでは子宮頸がんへと移行することがあります。
参考写真
 そんな女性に朗報が届きました。HPVワクチンが開発されたのです。このワクチンは、子宮頸がんの70%を占めるとされるHPVの16型と18型、尖圭コンジローマのおよそ90%を占めるHPV6型、11型を予防することができます。2003年1月に実施されたスタンフォード大学の調査では、HPVワクチン接種に必要な経費は、HPVに感染したことによって支払われる医療費に比べてはるかに少ないことを明らかにしています。セックスが行われる前の若者たちに、ワクチンを接種するわけですから、両親にとっては想像を超えた思いがあるかもしれませんが、子どもたちが将来子宮頸がんになる危険性から解放されるわけですから、それに越したことはありません。ワクチンなどが使われるようになったら、若者たちの性がますます乱れるなどと、まさかお考えにならないように。
北村邦夫(きたむら・くにお)
社団法人 日本家族計画協会常務理事・クリニック所長。1951年生まれ、自治医科大医学部卒。日本人の性を研究して30年。厚生科学審議会臨時委員、日本思春期学会常務理事、日本母性衛生学会常務理事などの公職も務める。