国会では、補正予算案が衆議院を通過しましたが、審議を通じて、野党側から様々な批判がありました。今回は、その批判に対する反論を中心を、石井啓一政調会長代理(党県本部代表・衆議院議員)が語っています。
Q:バラマキでは
A:補正予算案の中身は、(1)緊急経済対策(2)国民生活を守る対策(3)将来の成長につながる投資――という戦略を固めた上で、集中的、重点的に雇用対策、金融支援、医療・介護、環境、農業などに重点配分しており、決して“バラマキ”ではありません。
Q:財政再建は?
A:世界は100年に一度といわれる不況です。特に日本は輸出に依存していたため、先進国の中でも最も経済の落ち込みが激しく、景気の底割れ対策が必要です。一方、各国も不況克服のための財政出動をしていくことで合意していることから、日本としても過去最大規模の経済対策を実施。その財源として赤字国債発行もやむを得ないという判断をしました。ただし、景気回復後の財政健全化の目標は、今年6月に策定する「骨太方針」(経済財政運営の基本方針)へ向けて政府与党で検討していきます。
Q:消費税増税は
A:昨年末の政府の中期プログラムや今年度税制改正の付則に、消費税の税収は年金、医療・介護、子育て支援に充てると明確化されており、今回の国債を賄うため、消費税を増税することはありません。国債発行分は、将来、景気が回復すれば、自然増収で十分賄えると考えています。 
Q:官僚擁護では
A:大不況になると、民間の生産が大幅に減少し、個人消費も停滞するため、公的部門がお金を使って仕事をつくっていくことが必要です。従って、臨時的に国や地方自治体のみならず、独立行政法人や公益法人も活用することになりました。ただし、これは臨時的、特例的な措置ですから景気回復後はその役割を縮小させるため、官僚の天下りや既得権益にはつながりません。
Q:メディア芸術総合センター
A:補正予算では、当面の緊急対策だけでなく未来への投資も行います。文化芸術分野ではメディア芸術を取り上げています。日本のアニメーションやゲームソフトなどは、世界の若者を惹きつけています。これらの作品の展示や調査研究、人材育成などを行う総合的な美術館を設置するため、予算を計上しました。
Q:「母子加算」批判
A:厚生労働省の平成16年度の調査で、生活保護の母子加算を受けている母子家庭の生活扶助基準額は、一般の母子家庭の平均的な消費支出額よりも高いことが分かりました。これは妥当な制度ではないため廃止し、世帯の自立に向けた就労支援などの給付制度に変えました。
また、補正予算案では、子どもの家庭内学習やクラブ活動を促進するための支援給付を実施。さらに、生活保護世帯だけでなく母子家庭の母親が資格取得のために学校へ通う際の生活費支援について、学校に通った全期間も支給し、支給水準も引き上げていきます。このように、母子加算に代わる支援制度を充実させているので、批判は当たりません。
Q:なぜ基金か 
A:単年度で措置するよりも、基金化して3年から5年の中期的な取り組みを行った方が効果的なため、基金をつくりました。ただし、基金の使い方について途中経過をチェックし、仮に余った場合は国に戻してもらいます。公明党として12日に官房長官に申し入れを行っています。