10月までには具体的な導入時期、基地病院を明確化
参考写真 6月12日開かれた県議会保健福祉委員会では、茨城県へのドクターヘリの早期導入を求める議論が展開されました。茨城県では平成22年度中のドクターヘリの導入を目指しての検討が続けられていますが、昨年度中に取りまとめられる予定であった、基本的な基地病院、運航開始の日程などの結論が得られていません。
 6月にドクターヘリ導入のための第2回検討委員会が開かれ、この夏までには、遅れていた意見の集約が行われる見込みです。井手よしひろ県議は、山口やちゑ保健福祉部長に「今年10月議会ではドクターヘリの導入時期、基地病院について明確に出来るか」と確認したのに対して、部長は「そのような方向性で結論を出したい」と答弁しました。
 一番の問題となっている基地病院をどこにするのかという問題については、県内の複数の病院が検討の俎上に上がっているようです。
 井手県議は、2つの視点から県央地区の病院を基地病院にすることが望ましいと提案しています。
 理由の一つは、県南の病院は今すぐにでもドクターヘリを導入するハード的な仕組みや医師・ナースなどの人的な体制が整備できますが、茨城県内全体をカバーできないという地理的な大きな問題があります。
 例えば県南の代表的な救急病院であるつくば市内の病院から、ドクターヘリの基本的な運航範囲である50キロメートルの範囲を紫色の円で示すと、その北限は水戸市であり、県北の大部分の市町村が範囲外となってしまいます。反面、県央地区のいくつかの病院から50キロ圏内を想定すると、いずれも北茨城・大子地域までカバーすることが出来ます。
 さらにもう一つの理由は、他県との連携です。千葉県、埼玉県ではすでにドクターヘリが運航されています。栃木県でも、今年度から壬生町の獨協医大を基地病院として、ドクターヘリの運航が始まることになっています。茨城近県のドクターへリ基地病院から、50キロの円(青色の円)を描いてみると、県南・県西の大部分が運航可能範囲となることが分かります。「空には県境はないので、ヘリが飛べればどこでも救急に出動したい」と、ドクターヘリのフライトドクターが語っていたことばが忘れられません。将来的には、関東地域のドクターヘリのネットワークを構築するためにも、県央地区への基地病院誘致が絶対に必要だと考えています。
(写真は埼玉医大のドクターヘリを調査する県議会公明党議員会)
参考写真
 銑い魯疋ターヘリの基地病院を検討するために、井手よしひろ県議が仮に想定した病院です。具体的に、各病院が検討対象になっているかどうかは定かではありません。
イ論虱娶の日本医科大学北総病院、Δ郎覿霧の埼玉医大医療センター(地図の範囲外になってしまっています)、Г脇別攜の獨協医大病院です。

参考資料:井手よしひろ県議の県議会代表質問より
2007年9月議会
 続いて,救急医療体制の整備とドクターヘリの配備についてお伺いいたします。
 高度な救命を担う3次救急医療体制の整備は,県民の生命に直結する県政の最重要課題であると認識しております。現在,県の3次救急医療機関は県南部に偏在しており,救急医療の地域間格差が生じております。
 こうした現状を改善するために,現在,水戸済生会総合病院,並びに日製日立総合病院で3次救急の拠点施設の整備が進められております。その進捗状況と今後の予定を具体的にお伺いいたします。
 さらに,3次救急医療機関の偏在や専門医師の不足,並びに原子力防災や地震や大規模事故への対応策として,ドクターヘリの早期配備とその拠点病院の整備を強く訴えるものであります。
 私ども公明党県議団は,去る8月7日,日本医科大学千葉北総病院を訪問し,千葉県や病院担当者などから直接に説明を聴取しました。北総病院では平成13年10月から,千葉県におけるドクターヘリ事業をスタートさせました。平成16年7月には茨城県との共同運行協定が締結され,鹿行地域や稲敷地域まで運用範囲を拡大させています。
 平成19年6月までの出動件数は延べ3,303件,診療人数は3,308名に上っております。このうち165件が茨城県内の出動件数であり,多くの県民の命が救われております。
 ドクターヘリは,3次救急医療システム構築のためのキーポイントとなります。救急医療の偏在が叫ばれる茨城県内では,県央地域にドクターヘリを有する基幹救急救命センターを整備することで,県北・県西地域の体制強化を図ることができます。
 また,ドクターヘリは災害対策の上でも注目されています。7月に発生した新潟県中越沖地震では千葉県のドクターヘリが出動し,交通の寸断された被災地に急行し,重傷患者を搬出しました。地震や風水害などの大規模災害にドクターヘリの威力が証明されたことになります。
 さらに最近では,たらい回しが大きな問題となっているリスクの高い妊婦の搬送にドクターヘリを活用し,効果を上げている事例も報告されています。千葉県鴨川市の亀田総合病院や和歌山県立医大病院では既に40から50例のドクターヘリによる妊婦の搬送事例があり,多くの母子の命を救っていると報告されています。
 このドクターヘリ配備については公明党が最も早く国会で主張し,5年以内の全国配備をマニフェストに掲げております。今議会におきましては,自民党,民主党の代表質問でも早期導入についての強い要望が寄せられました。ドクターヘリの早期導入は,もはや県議会の総意であります。橋本知事の速やかな決断を期待するものであります。
 なお,ここで,原子力安全等推進基金の使途について我が党の見解を述べさせていただきたいと思います。
 私は,昨年9月の一般質問や予算特別委員会において,原子力安全等推進基金の使い道については,陽子線治療装置や,最新のリニアック装置などを有した,いわば県立放射線医療センターといった施設を一刻も早く整備することが県民にとって一番メリットが高い,との意見を述べさせていただきました。今回,県立中央病院の放射線治療充実などにこの基金から44億円余りを支出するという判断は,公明党の主張の延長上にあるものと理解をしております。
 しかし,この基金は,平成11年9月30日に発生したJCO臨界事故に際し,周辺住民への健康不安や風評被害に対して,その影響払拭のために長期的な対策を行う財源として国から交付されたものです。県立中央病院の充実は広く県民の利益になるものと確信しますが,東海村を中心とする県北地域の住民がどれだけ笠間市友部にある中央病院を利用するか,疑問が残るところであります。その意味では,ドクターヘリの導入こそ,直接被害を受けた地元住民の利益に供するものと申し上げたいと思います。
 万が一,原子力災害が発生した際も,ある程度距離が離れている中央病院に救急医療の拠点が整備され,ドクターヘリでの速やかな搬送,並びに医師派遣体制が整備されれば,安全対策上も大きな前進となります。表現をかえれば,原子力安全等推進基金を県立中央病院の整備に活用するのであれば,ドクターヘリの配備と同病院を救急医療・原子力災害対応の拠点病院として位置づけることがその前提条件であると言えます。
 以上,救急医療体制の充実とドクターヘリの配備について知事の御所見をお伺いいたします。

参考資料:井手よしひろ県議の県議会代表質問より
2008年9月議会
 ドクターヘリの導入に向けた取り組みについてお伺いをいたします。
 近県のドクターヘリの導入状況を見ますと,千葉県が,日本医科大学千葉北総病院を基地とするドクターヘリに加えて,県南部に2機目の導入を既に決めております。年内に運用開始をする予定です。埼玉県では,昨年10月に埼玉大学総合医療センターにドクターヘリを配備。福島県でも,ことし1月から福島県立医科大学附属病院で運用をスタートさせました。群馬県では,来年1月をめどに前橋赤十字病院での運用開始を目指し,準備を進めているところであります。
 一方,こうした各県の取り組みに比べて,茨城県のドクターヘリ導入の取り組みは余りにも消極的であると言わざるを得ません。昨年9月の県議会代表質問では,我が公明党を初め,自民党,民主党からもドクターヘリ導入の提案があったにもかかわらず,県のドクターヘリ導入検討委員会が設置されたのはことし7月に入ってからでした。
 私どもは,ドクターヘリの導入目標を3年以内にと具体的な時期を示して提案をさせていただいております。目標が明確でない中の検討委員会では,百日評定の愚に陥りがちです。また,建設的な議論が進まないと,先ほどの民主党の代表質問のように,県南地域にドクターヘリの基地を置くべきというような,県北の県民を無視するような意見が飛び出してきてしまうことになります。
 現在,検討委員会での検討の進捗状況と今後の見通しについて,橋本知事にお伺いをするものであります。
橋本昌知事の答弁
 次に,ドクターヘリの導入検討状況についてでございます。
 議員から御提案のございました本県独自のドクターヘリの導入につきましては,昨年度開催いたしました茨城県救急医療対策検討会議でも協議され,専門家や有識者による会議を設置して検討をすることとの提言を受けたところでございます。このため,7月に専門家等から成るドクターヘリ導入検討委員会を設置し,本格的な検討を始めました。
 第1回導入検討委員会では,多くの委員から本県独自のドクターヘリの導入を進めるべきであるとの意見をいただいた一方で,導入に当たっての課題も示されたところでございます。
 まず,基地病院の位置をどこにするかということがございます。
 これにつきましては,救命救急センターの整備状況や千葉県とのドクターヘリの共同利用の状況などを勘案し,本県全体の3次救急体制をいかに構築していくかとの視点に立って,最も効果的な場所を選定する必要があると考えております。
 また,現在の深刻な医師,看護師不足という状況の中では,ドクターヘリの運用に必要な新たな人材を単独の病院で確保していくことは難しいのではないかとの指摘もございました。
 さらに,ドクターヘリの運行を実効あるものにするためには,限られた医療資源の中で搬送患者の受け入れを担う病院の整備を進め,連携体制の構築を図ることが不可欠であるとの御意見もいただいているところであります。
 今回,このように多くの率直な御意見をいただきましたので,これらを踏まえ,さらにさまざまな観点から議論を進め,年度内を目途に,ドクターヘリの導入について県としての考え方を示してまいりたいと考えております。