700db044.jpg 9月6日、井手よしひろ県議は長野県動物愛護センターを訪れ、小林文範所長より、長野県の動物愛護行政や同センターの役割・実績などについて詳しく説明を聴取しました。さらに、同センターの施設を視察しました。
 長野県動物愛護センター(ハローアニマル)は、動物について学び、ふれあいを通じて命の大切さや相手を思いやる気持ちを育み、人と動物が共生する潤い豊かな社会の実現を図るための施設です。いわゆる保健所などで保護された犬猫を処分する施設ではありません。福祉施設等への動物介在活動(AAA)、病院への動物介在療法(AAT)、学校への動物介在教育(AAE)を3本柱とする広義のアニマルセラピー事業を中心に事業を展開しています。
参考写真 そもそも「動物愛護」とは、大辞林で引いてみると「動物を人間と同一視しようとする理念に基づき、動物を大切にし、愛そうとする精神」とあるように、人間から動物への働きかけを意味するものですが、長野県動物愛護センターは、一歩その先を目指し、動物から人間への様々な癒しを中心とするものを引き出そうとするところにあります。他県の例をみても、このレベルにまで高めた動物愛護センターを有する自治体は類例がないと思います。
参考写真 この動物愛護センターが設立された背景には、長野県独自の動物愛護行政の歴史がありました。昭和48年に「動物の保護および管理に関する法律」が制定されました。当時の行政の役割は、放し飼いなどの犬の苦情処理や取り締まり、狂犬病などの予防、殺処分などに限定されていました。そのような中、平成4年、松本保健所管内で「愛犬のしつけ教室」が開催され、大きな反響を呼びました。それをもとに、平成7年には「家庭犬インストラクター制度」が導入され、県(長野県動物愛護会)が認定した指導者により、地域ごとに犬のしつけ教室が行われるようになりました。
 平成12年に、19億円の事業費で長野県動物愛護センターがオープン。動物のもつ癒しの効果を主眼とする各種の事業が展開され始めました。
 平成13年には、松本地区で「地域ねこ」のボランティア組織「ねこの会」が結成されました。広場ごとに、そこに集まるねこを管理し、虚勢・避妊を行い様々な病気のワクチンを接種するなどの活動を行っています。
 現在、長野県動物愛護センターでは、動物ふれあい教室、職場体験事業、ふれあい訪問、動物に関する相談室、犬猫の譲渡会など多彩な議業を行っています。また、この施設は、アニマルシアター、図書ルーム、どうぶつ探Q館、 犬のプレイルーム、ねこのプレイルーム、ハロードーム、ドッグランなどを完備し、年間10万人弱の県民が訪れています。
 茨城県の動物愛護行政を考えるとき、非常に参考となる視察でした。小林所長には、長時間にわたり懇切丁寧なご説明をいただき、深く感謝申し上げます。
参考:長野県動物愛護センターのHP