参考写真 政府行政刷新会議の事業仕分け第3日、先日このブログでも取り上げた「シルバー人材センター」の補助見直しが取り上げられました。結果は、「予算を3分の1程度削減」。概算要求の136億円に対して、仕分け人は「センターの活動そのものは一定の役割を担っている」としつつも、補助率が高すぎて効率的な運営がされていないうえ、民業を圧迫していると指摘。予算の3分の1程度を削減すべきだと判定しました。
 効率的な運営が出来ていないとは、どれだけ地方のシルバー人材センターの現状を知っているのでしょうか。安い請負料(工賃など)を出来るだけ、会員に還元するために、最大限の努力をどのセンターも行っています。そのために、センター専従員の人件費部分が補助金で賄わざるを得なくなっているのです。特に、小規模のセンターの方が専従人件費の割合が高くなり、補助金に頼る割合も高まっています。極言すれば、シルバー人材センターの補助金はセンター専従職員の人件費補助で良いと考えています。このような現場の実情を、仕分け人達は全く理解していないようです。
クリックすると大きな画面でご覧になれます また、当日配布られた予算削減側の資料(財務省作成の資料)も、非常に恣意的です。特に、兵庫県加西市の事業仕分けをわざわざ引用して、地方自治体でも『不要』としているところがあるとしている所など、悪意に満ちているとしか言いようがありません。全国の自治体で事業仕分けが行われているわけではありません。その内、たまたま一つの自治体が不要としている結果をもって、国の事業の判定資料とするのは、いかがなものでしょうか?
 なお、加西市のHPを詳細に見てみますと、事業仕分けの結果は「不要」でしたが、実際は平成20年度予算9500万円を21年度は8000万円に15%程度削減しました。
行政刷新会議WGの評価結果
予算要求の縮減(1/3程度を縮減)
(廃止:1名、自治体/民間:2名、予算計上見送り:0名、予算要求縮減:7名 うち予算半額:2名、1/3:5名、その他:0名)
とりまとめコメント
予算要求の1/3程度を縮減する。
全国シルバー人材センター事業協会を廃止するという意見もあったので、ぜひ検討いただきたい。
昭和55年度から長く続いてきた事業で、1/2の補助が非常に大きな既得権益になっているという問題点がある。
民業圧迫の実態調査を直ちに行うべきとの意見も出されているので、ぜひ取り組んでいただきたい。

評価者のコメント
  • 昭和55年からの事業で、1/2補助が既得権益になっているという問題点がある。民業圧迫の実態調査を行うべき。
  • 事業運営費をしぼり、働いたシルバー人材からの手数料を上げ、国の補助を下げるべき。それがひいては民業圧迫を縮小することになる。
  • 会員(高齢者就業者)の賃金の11%を自動的に収納しているシルバー人材センターであればもっとコストパフォーマンスよく運営できるのではないかと推測する。職員数7400名、拠点1329箇所、一箇所当たり5人もおられる。その人件費は総額300億円。職員にも高齢者を登用すれば、もっと減額できるのではないか。したがって国庫負担は1/2にしても十分に回ると考える。
  • 人件費・管理費は削減可能。
  • 全国シルバー人材センター事業協会は廃止するべき。
  • 民間委託に全面的に切り替えるべき。
  • 可及的速やかに(1年以内)に実施は、基礎自治体に任せるべきである。
  • 本事業は国庫負担の必要なし。間接部門にシルバー人材を投入すべき。