子ども手当財源に実質的に地方負担を残す政府方針に自治体から反発の声
FNNニュース(2009/12/24)
 政府が子ども手当の財源として、実質的に地方の負担を残す方針を固めたことについて、自治体からの反発の声が高まっている。
 神奈川県の松沢知事は、「まったく地方を裏切る国の独善でありまして、わたしたちは絶対認めることはできません」、「こういうやり方を強行するのであれば、神奈川県としてはボイコットするという覚悟です」と述べた。
 神奈川県の松沢知事は24日朝、あらためて、子ども手当に、実質地方の負担が残ることに反発した。
政府の方針については、全国知事会会長の麻生福岡県知事も23日夜に会見を開き、「地方に対して一切、協議や説明もない」、「極めて遺憾である」と述べている。
 子ども手当をめぐっては23日、原口総務相が菅副総理や藤井財務相などと会談し、2010年度は現行の児童手当を残して、新たに設ける子ども手当に組み込みことで合意した。
 しかし、地方が一部負担している児童手当は残ることから、自治体からは激しい反発の声が上がっていて、政府は難しい調整を迫られることになる。

 鳩山政権の目玉政策である「子ども手当」の財源問題は、地方自治体にとって最悪の詐欺的手法での決着となりました。現状の児童手当を存続させ、中学校卒業まで月額13000円に満たない部分を、新たな子ども手当で賄おうという苦肉の策です。結果的に、「地方負担を求めない」との鳩山首相の公約はもろくも崩れたことになり、地方からの反発は必至の状況です。
現行の児童手当では、平成21年度予算の支給総額1兆160億円のうち、地方自治体が5680億円、企業が1790億円を負担しています。
 鳩山首相は10月20日、当時財務省を中心に浮上していた子ども手当の財源を地方にも負担させる案について「今、私の頭の中にない」と断言。「本来、国が頑張らなきゃいけない話で、地方に負担をさせるということは、今、私の頭の中にあるわけではありません。国の財政も厳しいから地方も負担しよう、という話になっていると思うが、選挙の時は、国費でまかなう思いでみんな話をしたはず」と、地方負担の考えを明確に否定していました。首相のこの言葉を、地方の首長や議会は信頼していたわけですが、わずか2カ月後に真逆の結論に至ったわけです。
 12月22日、菅副総理は総務・財務両省合同政策会議で「(地方負担は)最終的に鳩山由紀夫首相の方で決定いただいた」と述べたと時事通信は報道しており、この間の変節について鳩山首相には明確な説明が求められています。