参考写真
 3月17日、茨城県議会予算特別委員会が開かれ、井手よしひろ県議が登壇。橋本昌県知事、古田直樹病院事業管理者、鈴木欣一教育長に、県立病院改革、茨城空港の活性化、八ッ場ダムなどの国直轄公共事業への対応、全国学力テストへの対応について質問しました。
予算特別委員会質疑通告
参考写真1.県立病院改革の成果・課題と今後の対応について
 (1)病院改革の成果と課題(病院事業管理者)
 (2)今後の病院改革の方向性(知事)
2.国の公共事業と茨城県の対応について(知事)
 (1)茨城空港の開港と国土交通相の対応
 (2)直轄事業負担金への対応
 (3)八ッ場ダムの一方的工事中止に対する所感
 (4)霞ヶ浦導水の工事見直しに対する所感
3.ドクターヘリの導入について(保健福祉部長)
 (1)運航シミュレーションの予定
 (2)千葉県、栃木県との広域連携
 (3)臨時ヘリポート整備と市町村消防との連携
4.グループホームなど高齢者介護施設の防火対策について(保健福祉部長)
5.教育に関する諸課題について(教育長)
 (1)発達障害児への対応
 (2)全国学力・学習状況調査への対応
 このブログでは、11日に開港した「茨城空港」をめぐる、知事とのやり取りをご紹介します。
茨城空港の開港を受けて、よりきめ細やか利用者へのサービスを
 去る3月11日、待望久しかった茨城空港が開港しました。
 当日、離発着した計9便は、いずれもほぼ満員の状況で、約1600名の方が空の旅を楽しまれました。ターミナルは、利用者や見学者、歓迎にあたる方、報道関係者などで賑わい、初日には約8000人が訪れました。テナントとして入居している売店では、3000個のおみやげ等を販売し、飲食店も900人分の食事を提供しました。
 開港当初、入国審査の体制が不十分であり、12日には、韓国からの利用者が最大1時間半も待たされるという、事態が起きて心配されました。しかし、その後、窓口担当者の習熟度も上がり、30分から40分程度で、比較的スムーズな入国審査が行われていると聞いています。
参考写真 私ども公明党県議団は、開港日の11日、昼過ぎから約2時間空港ターミナルを視察すると共に、スカイマークの開港記念フライト「茨城=羽田」を利用し、茨城空港を実際に利用者の視点で検証してみました。
 搭乗手続きから、出発ロビーを経由して、エプロンを歩いてタラップを使って搭乗するわけですが、導線が大変短く、その高低差も少ないため、非常に使いやすい空港であると実感しました。ただ、荒天時の対策や利用客を安全に飛行機に搭乗させるための係員の案内体制などに検討課題が残っていると思われます。
 茨城空港は、国内初の本格的LCC対応空港=バジェット・エアポートとして出発したわけですから、出発ロビーには、自動販売機など、軽食を提供できる設備が必要ではないでしょうか。
 空港ターミナルに関しては、しばらくの間、一般の見学者の来訪も多くなります。他の地方空港と異なり、航空自衛隊の百里基地との共用空港であり、自衛隊機の発着も多く、航空ファンも多数訪れます。見学者の年齢層も幅広く、休憩の際の椅子席の確保が問題であるように思われました。
 さらに、この空港に関するインフォメーションも充実させる必要があります。百里基地は土日に訓練飛行がありませんが、インターネットのツイッターなどには、「訓練が見られない」と空港に対する不満に繋がってしまっています。ホームページに一言あれば無用な摩擦がなくなるのではないでしょうか。
 さらに、私どもは夜間、茨城空港のターミナルを再視察しました。この空港の大きな特徴となっています無料駐車場の警備体制に若干の不安を覚えました。11日夜も、百数十台の車両が駐車しておりました。常駐の警備員や防犯ビデオの設置など防犯体制は万全とは思いますが、念には念を入れた体制を敷くことが必要であると実感しました。
 こうした点も踏まえ、1番機が無事就航した茨城空港開港に関する橋本知事の所感をお聞きしたいと思います。
<橋本知事の答弁概要>
参考写真 茨城空港に対する県民の期待を実感しています。様々なご指摘をいただきました。できるものから改善していきたい。アシアナ航空やスカイマークからは、シンプルな空港に対して高い評価をいただいています。更なる路線拡張についても期待しているところです。スカイマークの神戸便も35分で沖縄への乗り継ぎができるなど、利便性を高めていきたい。
 ニューヨークタイム国際版の一面には、茨城空港のことが大きく報道されました。日本のための斬新のアイデアと高く評価されています。これを見て、ネパールのバンダリ交通観光相が15日に空港の視察に来られました。
茨城空港に関する前原国交相発言への見解
 さて、こうした茨城空港の記念すべきスタートに当たり、水を差したのが、他でもない空港の設置者である民主党の前原国土交通大臣の発言でした。3月5日前原大臣は、国土交通省の会見室で行われた公式記者会見で、次のように発言しました。
 「開港される側からするとお祝いだと思いますので、茨城空港の開港にお喜びを申し上げたいと思います。これは前政権の時に決められたことでありまして、3月11日に開港するということでありますけれども、今のところあまり便が決まっていないということであります。<中略>従って、造った以上は茨城県が自助努力をされて、更に茨城空港を活用出来るような取組をしっかりやって頂きたいと思います」
 この発言は、設置者としての自覚も責任も全く感じられない無責任な発言です。私は、「賢明な前原大臣のことですから、茨城空港は、県が設置した空港であると勘違いされているのではないか、企画部長は、県として大臣の真意を質すべきではないか」と、先の総務企画委員会で指摘させていただきました。
 知事はこの発言にたいして、どのような感想をお持ちでしょうか、また、国交相に対して発言の主旨を確認するとか、発言の撤回を求めるとかの対応を取られる予定はあるか、お伺いいたします。
<橋本知事の答弁概要>
 前原大臣の発言については、一般的には自分のことについてはそのような表現は使わない。ひょっとしたら茨城空港を県が設置した空港であると勘違いされているのかもしれません。また、「日本の航空会社について無理矢理飛んで下さいというようなお願いをするようなことは致しません」との発言についても、茨城県はJALやANAに圧力を掛けていただくことは想定していません。
 私としては、観光面での国際収支が1兆円以上の赤字になっている現状を踏まえ、観光立国と言っている以上、せっかく作った茨城空港なのですから、国営であろうと県営であろうと、あるものを充分に活用して、外国からのお客様が首都圏に入りたいけれど入れないという状況を解消していくことが大切だと考えます。そういった点を踏まえ、茨城空港をどのようにしたら活用できるかを国としても真剣に考えて欲しい。一緒になって良い方向に持って行きたい。、
国の航空政策の中で、茨城空港の位置づけを明確に
 前原国交相は昨年10月13日の閣議後の会見で、羽田空港を24時間使える国際的なハブ(拠点)空港にしていく方針を明らかにしています。今年10月の羽田拡張を機に、24時間体制を徐々に構築し、アジアの有力空港と競争できる体制づくりを目指すとしています。
 前原大臣は「韓国の仁川空港に日本のハブ空港の機能を取られてしまっている」と、日本の地方空港から仁川経由で海外に結ばれる路線が増えている現状を問題視した上で、「日本にハブをつくらなくてはならない。ハブになり得るのは、まず羽田だ」と述べました。
参考写真 一方、日本国内の地方空港は、同じく国交省が進める"オープンスカイ構想"によって、韓国、香港、マカオ、タイ、ベトナム、シンガポール、マレーシア、アメリカ、カナダ各国の航空会社が直接、航空路を開設しています。茨城空港も、今後、アシアナ航空便が充実してくれば、仁川をハブ空港とする日本のスポーク空港の一翼を果たすことになります。仁川を経由して第三国にフライトした方が、メリットがある場合さえあります。
 私は、茨城空港の生き残りを考えるときに、羽田ハブ化に象徴するように、日本の航空行政が定まっていないことに大きな問題があるように思えていなりません。国は、地方空港の位置づけを明確化し、明確な航空行政を方向付けする必要性があると思います。
 橋本知事は、茨城空港が日本の今後の航空行政の中で、どのような役割を果たすべきと考えているかご所見をお伺いいたします。また、その位置付けを明確にするために、設置者である国とどのような協議を行おうとしているか、ご所見をお聞かせ下さい。
<橋本知事の答弁概要>
 これからの世界を考えた際、航空需要が飛躍的に上がってくると考えます。その中でも、首都圏としての体制を作っていくことが必要だと考えます。そしてまた、こうした需要は、今までの需要とは違って来る傾向があると思います。安くて安全に行ければ良いという考えが強くなる。その役割を茨城空港が担っていけると思ってます。今後、茨城空港をLCCを中心として、首都圏の第3空港としてさらに明確に位置づけていただくことが必要だと考えています。