参考写真 3月16日、中学卒業までの子ども1人当たり月1万3000円を支給する2010年度の子ども手当法案が、衆院本会議で与党3党と公明、共産両党などの賛成多数で可決され、参院に送付されました。
 今回、衆院で成立した子ども手当法案は、実質的に公明党が一貫して推進してきた児童手当の拡充法案そのものです。内容についても、公明党がマニフェストで掲げた“支給を中3まで拡大し支給額も倍増する”という内容をほぼ実現するものです。
 当初の政府案には、子育て支援にかかわる全般的な施策の考え方、支給対象の不備など問題点がありました。この点について公明党は、法案の付則に(1)11年度以降の子育て支援の全般的な施策を拡充(2)児童養護施設に入所する児童なども対象にするよう必要な措置を講じる ――という修正提案を行い、これが盛り込まれたことにより、法案に賛成することにしました。
 また、公明党が賛成したのは平成22年度の子ども手当法案であり、23年度以降の法案を含めて賛成したわけではありません。
 子ども手当や高校無償化の法案修正、介護政策などの提言をめぐり、「民主党と公明党が接近」などという報道もありましたが、これは全く的外れな見方です。政党は政策実現に向けて努力するのが使命であり、公明党は野党だから何も政策を実現できなくていいとは考えていないということです。国民のためになると判断したことは、政府に対して積極的に提言し、政権がそれを受け入れるならば、協力して実現することがあって当然でしょう。
4月から子ども手当はいくらもらえる?
 この法案は3月中の成立を目指しており、成立すれば施行は4月1日、子ども手当の第1回支給は6月に行われます。対象となるのは中学卒業までの子どもを持つ家庭。1735万人が子ども手当の対象になると見込まれています。手当の支給時期は現行の児童手当と同じで、6月、10月、2月の年3回に分けて支給されます。6月の支給は4月、5月の2カ月分で子ども一人につき26000円になります。
 これまで児童手当を受給していた家庭には、6月に2カ月分の子ども手当と2月、3月分の児童手当が同時に支給されます。
 子ども手当を受け取る方法ですが、これまで児童手当を受給していた人は自動的に子ども手当を受け取ることができます。子ども手当を受給していなかった人は市町村に受給資格の認定を請求しなければなりません。受給のための手続は法案が成立してから、現在、居住している市町村で行われます。
 もし6月の支給開始までに手続が間に合わなかった場合でも9月末までに認定手続ができれば、4月にさかのぼって子ども手当を受給することができます。
子ども手当を受け取ることができる人は?
 子ども手当を受給するための条件は、(1)受給する人が日本に住んでいること、(2)子を養育者として「監護」し、「生計」を共にする父か母、(3)父母に監護されない子を監護し、この生計を維持している人、というのが条件です。
 日本に居住していれば、外国人も受給可能です。
 しかし、両親が日本にいても児童養護施設に子どもが預けられている場合は、親が監護者として認められないため受給できません。そこで、公明党の修正案によって、児童養護施設にいて支給対象外になる子どもは約5000人については、国の助成で各都道府県に設置している「安心子ども基金」から同額分が支給されることになりました。
なぜ、国外に子どもがいる外国人にも支給されるのか?
 これは、日本が批准している国際条約との関連の中で決められていることです。日本は、1979年(昭和54年)に国際人権規約を批准し、1981年(昭和56年)には難民条約・議定書に加入しました。
 難民条約に加入したことに伴い、社会保障に関する内国民待遇を実現するため、児童手当法等の国籍要件を撤廃し、日本国内に居住している者については、国籍にかかわらず、児童手当の支給を受けられることとしています。
 子ども手当における国内居住外国人の取扱いについては、こうした児童手当法の取扱いを踏襲したものです。
 難民条約に加入した以上、これに反した法律を作ることはできません。しかし、子どもの居住要件までは、条約には決められていませんので、扶養する親が日本に住んでいて、子どもが他の国で住んでいる時には、そこは日本の法律に自由度があるようです。今後、政府は検討にはいるようです。
 しかし、外国にいる子どもは認めない事にしますと、日本の子が外国で勉強しているようなケースは認められない事になってしまいます。また、ヨーロッパなど子ども手当が進んでいる国で生活している日本人は、子どもがあればその恩恵に浴している事も忘れてはなりません。