9月県議会に関連議案を提出
住宅公社の清算では全国初で最大規模

参考写真 8月18日、県は県議会主要会派の代表に対して、第3回定例県議会に提出する2010年度補正予算案の概要を説明しました。
 席上、債務超過に陥り破綻状態になっている「茨城県住宅供給公社」について、第三セクター等改革推進債(三セク債)を380億円発行し、破綻処理を行うことが報告されました。
 県は、9月議会で承認が得られれば、総務相に発行の許可を申請し、9月中にも県住宅公社の解散手続きに入りたいとしています。
 県住宅公社は、破産法に基づく法的整理が行われ、全国51の地方住宅供給公社としては初の破産となります。
 三セク債は、第三セクターや公社の破綻処理などに伴う費用を賄うため、2009年度から5年間に限り認められた特例債です。総務省によると、初年度は全国11自治体が計384億円を発行し、最大の発行高は大阪市164億円でした。茨城県の三セク債の発行額380億円は全国最大規模となる見込みです。
 茨城県が発行予定している三セク債の償還期間は15年。有利子債で31億円が見込まれています。元利合計(県の負担額)は約411億円に上ります。三セク債を原資に、県住宅公社の債務のうち、県が損失補償している民間金融機関や国からの借入金計112億円を肩代わりするほか、県が住宅公社に貸し付けている短期貸付金268億円も清算します。
 2006年から10年度の掛けて、県は公社支援として計268億円を既に投入しています。三セク債(元利合計)を加えると計約679億円の膨大な県費が県住宅公社の破綻処理につぎ込まれる計算になります。
参考写真 また、8月19日行われた県議会県出資団体等調査特別委員会で、上月良祐副知事は、「与えられた環境の中で最善の努力をしてきたが、残債や不動産の動向をみると、ここに至っては破産しかない。県民に申し訳ない」などと答弁したことが地元紙で報道されています(2010/8/20茨城新聞)。また、小野寺俊総務部長は、橋本昌知事ら県執行部らの責任問題については、「提案説明までの適切な時期に知事本人が説明申し上げると思う」などと述べ、8月24日に予定されている9月県議会の議案内示会で、橋本知事は自らの責任問題などに言及するとみられます。
 また、県は公社が破産した場合の対応として県の土木部に対策検討会議を設置し、整備が終わっていない団地施設の扱いや住民からの要望や意見について具体的な対策をとりまとめることにいました。県住宅供給公社は昭和40年に設立され、これまでに県内に100の団地、あわせて1万3000戸を分譲し、現在も一部の団地で道路や配水管の整備を続けています。
 対策検討会議では整備が終わっていない団地施設のあつかいや住民からの要望や意見について相談窓口などを設けて対応していくことにしています。