厚生労働省は9月15日までに、今夏の記録的な猛暑で熱中症による死者が相次いだことを受け、生活保護受給者に対し、冷房費など夏場にかかる光熱費を上乗せする「夏季加算制度」の新設について検討を開始しました。
 公明党は、熱中症対策に手をこまねく政府に先駆けて、9月1日に記者発表した「猛暑対策ビジョン2010」の中に「夏季加算制度の創設」を明記しており、公明党の主張が一歩前進した形です。
 生活保護受給者には現在、暖房費がかさむ冬季(11〜3月)に関して「冬季加算」が設けられているが、夏季については、こうした制度がありません。
 一部にエアコンやクーラーがあると、生活保護が受けられないとの誤解がまだあるようです。確かに、昔は法律の内容が違っていたので、エアコンやクーラー設置が認められない例もありました。現在は、エアコン・クーラーがあるために生活保護が受けられない、または、取り外しを指導されるといったことは、基本的にはありません。
 9月14日の記者会見で、長妻昭厚労相は、夏季加算について「ナショナルミニマム(政府が国民に対して保障する最低限の生活水準)の観点からやらないといけない」と述べ、生活保護世帯のエアコンの設置状況や夏の電気使用量など実態把握を行い、必要性を議論していく考えを示しました。
 夏季加算をめぐっては、公明党の加藤修一環境部会長(参院議員)が8月27日、群馬県館林市の安樂岡一雄市長から、創設を求める要望を受けました。これを踏まえ加藤氏は、公明党の「猛暑対策ビジョン」に夏季加算の創設を盛り込み、政府に検討するよう働き掛けていました。