11月17日、公明党日立市議会議員団は、樫村千秋日立市長に対して、41項目にわたる「平成23年度予算編成に対する要望書」を提出しました。
 以下その内容を掲載いたします。
1. 市民福祉の充実のために
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  1. 県北地域の住民の生命を守るため、日立総合病院「地域救命救急センター」の建設にあたっては、計画通り進められるよう国、県補助枠の拡大等、できる限りの支援に取り組まれたい。あわせて、医師の確保を目指して国、県との連携が図られるよう、専門スタッフの設置を検討されたい。
  2. 小児医療費マル福制度について、現在年1回誕生月に行っている所得確認を、近隣市町村でもすでに実施している「自動更新」に本市も早急に改善されたい。あわせて、助成の対象を県では10月から小学校3年生まで無料化を実現したので、その上乗せとして小学校6年生までの拡充を検討されたい。
  3. 子ども細菌性髄膜炎は、中枢神経障害や死亡にもつながるが、ワクチンによって確実に予防できることから、できるだけ早い予防接種が望まれる。しかし、任意接種のため自己負担が大きいので、「ヒブワクチン」「小児用肺炎球菌ワクチン」接種の全額公費助成を実施されたい。
  4. 児童クラブについては、保護者のニーズに応えられるよう、待機児童の解消、開設日、開設時間、受入学年の拡充などの見直しを早急に検討されたい。
  5. 児童館については、クーラー設置や老朽化した設備の改修を実施されたい。さらに、現在2館しかない施設を市内全域に拡充する等、児童館の今後のあり方を検討されたい。
  6. 児童虐待防止については、近隣住民や学校、医師などの通報に対するスピーディーな対応が重要となる。対応するケースワーカーの不足が懸念されているので、増員について検討されたい。また、子ども福祉課、児童相談所とのさらなる連携の強化を図り、児童や親へのケア等の継続した支援に取り組まれたい。
  7. 乳がん、子宮頸がん検診の無料クーポン券による受診は、対象者に公平に受診の機会が与えられるように、来年度も継続されたい。さらに、子宮頸がんについては、ワクチン接種の公費助成を実施されたい。その際、ワクチン接種の重要性が認識できるように、セミナー等を検討されたい。
  8. 地域密着型介護サービスのさらなる充実を図るため、できる限り住み慣れた地域で生活を継続できるよう、24時間体制で支えるための「夜間対応型訪問介護事業」を展開されたい。また、多くの事業者が参入できるよう環境整備と働きかけに取り組まれたい。
  9. 高齢者が安心して豊かな生活を送れるよう、介護サービスの充実と基盤整備を図られたい。特に、老朽化している特別養護老人ホーム「萬春園」の改築を検討されたい。
  10. 山側団地等で起きている高齢者等の「買い物弱者」に対して、事業所や自治体等と連携した宅配サービスや団地仲間による近隣型の店舗づくり等、各地域に応じた買い物サポート事業を検討されたい。
2. 市民生活環境の向上のために
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  1. 本市の魅力のPRやイメージアップを図るために、マスコットキャラクターを制作し、各種イベントでの活用を検討されたい。
  2. 住民基本台帳カードについては、多目的に使用できるようデータの充実を図り普及を推進されたい。あわせて、高齢者が自動車免許証の自主返納により身分証明が無くなること等から、自主返納した高齢者には無料交付を実施されたい。
  3. 振り込め詐欺が減少する中、おれおれ詐欺の手口が巧妙化し被害者が増加している。市民から被害者が出ないよう相談員の研修等レベルアップを図るとともに、さらに市民の意識が高まるよう取り組まれたい。
  4. 本市のコミュニティ活動は、役割の重要度と共に活動の範囲が広まり、現体制では限界を超えている地区が少なくない。現在、「行政とコミュニティのあり方検討委員会」で議論が重ねられているところであるが、多くの住民が負担を感じることなく、気軽に活動に参加できるよう、明確な指針を策定されたい。
  5. 日立シビックセンターに視聴覚センターが移転されることに伴い、利用者の利便性を高めるために、地下駐車場の2時間無料化を実施されたい。また、6階の遊休スペース(旧市社協)の活用策を早急に進められたい。
  6. 多賀市民プラザの利用率が高い1階ギャラリー、小ホールの照明等の改修を計画的に進められたい。また、駐車場については、市民会館利用者の2時間無料化を実施されたい。
  7. 生活交通の中心となる路線バスの維持・確保は市民生活を支える重要な課題である。諏訪地区の実証実験の成果を分析され、次の実証実験地区に生かされたい。また、地域・事業者・行政の役割をさらに明確にし、日立市全体の方針を早急に策定されたい。
  8. 団地を中心に急増している空地、空き家対策として、所有者に維持・管理を義務付ける条例の制定を検討されたい。
  9. 一般家庭用太陽光発電システム促進事業に対する補助金及び対象件数の拡大を図るとともに、エコキュート・エネファーム等のオール電化にも補助制度を検討されたい。さらに、今後普及が見込まれる太陽電池や、環境対策の一環として電動アシスト自転車購入への補助制度を検討されたい。
  10. 市民の安全安心な街づくりのために、JR常陸多賀駅、小木津駅前に交番の移設を引き続き県へ強く要請されたい。
  11. 児童公園の適切な維持管理のために、除草や老朽化している遊具の整備に取り組まれたい。また、高齢者の利用が増加していることから、軽い体操ができるストレッチ器具の設置を検討されたい。
  12. 常陸多賀駅前広場の再整備事業については、できる限り前倒し、短期間で完了するよう取り組まれたい。また、施工にあたっては利用者に不便をきたさないよう、交通安全に充分に取り組まれたい。
  13. 最近問題になっているゲリラ豪雨対策として、貯水池、河川拡幅など早急に事業を推進されたい。また、土砂災害や河川、排水路の氾濫が想定される箇所については、早急に整備計画を策定し取り組まれたい。さらに、貯水層の補助数枠の拡大を図るとともに市民へのPRに努め、利用拡大を図られたい。
  14. 本市の基盤整備の最重要課題である国道6号日立バイパスの都市計画変更決定、国道6号大和田拡幅事業については、引き続き事業が促進されるよう、国、県へ強力に働きかけられたい。また、県道日立笠間線(山側道路)の予定通りの完成、鮎川停車場線の早期事業化を、県へ強く要請されたい。

3. 教育文化の振興のために
  1. 市内小中学校の校舎・屋内運動場の耐震化については、計画的に整備が進められているが、さらなる整備計画の前倒しに向け、財源確保に取り組まれたい。さらに、全ての教育施設の耐震診断を早急に実施されたい。
  2. 小中学校の児童生徒のための猛暑対策として、リース契約等の手法を取り入れて、エアコン設備の設置を検討されたい。
  3. いじめが原因で自殺する小中学生が連続して発生していることを踏まえ、「いじめはどの学校でも、どの子にも起こりうる」ことを前提に、すべての学校の児童生徒にいじめの有無を聞くアンケートを実施するなど、実態把握と早期対応に取り組まれたい。あわせて、現在中学校に常駐している教育相談員制度を、小学校へも常駐できるように拡充されたい。
  4. 奨学金制度については、大学などの授業料の高騰や長引く就職難によって、卒業後の返済を延滞する若者が増えている。奨学金を借りても返せないという不安から進学を断念する人も少なくない。若者たちの夢を支える新たな対策として、返済の必要のない「給付型奨学金」の導入を検討されたい。
  5. スポーツ振興のために、全国大会が開催できる「新日立武道館」の建設を計画されたい。池の川運動公園区域内に位置付けることにより、スポーツ圏としての充実を図られたい。
  6. スポーツ広場の利用者が増加する中で、ジョギングコースについては、冬期期間(12月〜3月)の照明時間を21時までの延長を図られたい。
  7. 郷土博物館は、建物が老朽化、狭あい化しているので、移転を含めた改築を検討し、収蔵物を整理して、本来のあり方を検討されたい。

4.産業の振興のために
  1. 観光振興のために、観光協会、観光振興課、新役員体制となった日立商工会議所がそれぞれの連携をさらに密に強化し、魅力的なイベントの企画誘致を図り、積極的な誘客拡大を図られたい。
  2. 本市の交流人口拡大の最大のチャンスである「日立さくらまつり」については、開花時期予想の難しさから、メインイベント日の設定を4月第1土・日曜日及び第2土・日曜日に拡大し、さらなる全国的なイベントになるよう取り組まれたい。
  3. 観光の目玉として、国民宿舎鵜の岬との連携を図りながら、夏期限定で、十王川(日立電線豊浦工場東側)で「立ち鵜漁」を行なうことを検討されたい。
  4. 「日立市商業振興計画」を推進するための体制を早期に構築し、着実な実施に取り組まれたい。また、日立地区3モール商店街活性化実行委員会が、商店街の活気を取り戻すために独自のアイディアを出し合いながらイベントを開催しているので、商工会議所、市が連携を図るなど、さらなるバックアップ体制を検討されたい。
  5. 「目指せ日立のブランド力」向上のために、出荷されていない少量生産の優れた隠れた地元野菜(人参・ごぼう・ねぎ等)を使用したB級グルメを開発し、日立のブランド化に取り組まれたい。
  6. 中里地区におけるレジャー農園サポーター(ボランティア)制度が順調にスタートしたところである。農園関係者の高齢化対策や活性化に大きく期待される制度であることから、受入農家やサポーターの拡充に積極的に取り組まれたい。
  7. 農家の競争力が減少してきている現状から、戸別所得補償制度の見直しを国に積極的に働きかけられたい。また、農業を元気にするために、担い手・後継者をサポートする専門指導者と相談窓口の庁内設置を検討されたい。
  8. 公設地方卸売市場は、今後、ますます厳しい状況が予想されるので、思い切って、廃止の方向を早急に検討されたい。その際、生産者への市場廃止によるマイナス面を配慮されたい。
  9. 東京ガスのLNG基地建設計画については、地元住民の理解、協力が得られるよう、丁寧に対応を図られたい。あわせて、遊休事業用地への新たな企業誘致を検討されたい。
  10. 高校などの卒業予定者や失業中の若者のへの雇用支援のため、今年度実施している緊急雇用対策事業を、来年度も対象人数を拡大して実施されたい。また、企業が研修生として雇用する場合に、市が研修費用の一部を負担し、地域の雇用創出に取り組まれたい。