国民にツケを回す、展望なき迷走予算案
参考写真 12月24日、政府は夕方開いた臨時閣議で、平成23年度予算案を決定しました。
 国の予算規模を示す一般会計の総額は、22年度当初予算比1124億円増の92兆4116億円と過去最大となりました。財政運営戦略に沿って、国債費を除いた歳出の大枠を70兆8625億円、新規国債発行額を44兆2980億円に抑えましたが、当初予算ベースとして2年連続で借金が税収を上回り、特別会計などの「埋蔵金」に依存する異常事態が続く予算となっています。
 予算組み替えや無駄削減による財源確保というマニフェストの工程表は完全に破綻しています。子ども手当など公約施策への大幅な上積みは軒並み見送られました。
 政策的経費である一般歳出は1.2%増の54兆780億円。社会保障費は、少子高齢化などで5.3%増の28兆7079億円に膨らみ、一般歳出の53.1%まで上昇しました。一方、公共事業費は、地方向け一括交付金分を含めても5.1%減の5兆4799億円と引き続き削減対象となりました。
 公約関連は22年度比6000億円増の3兆6000億円止まり。子ども手当は23年度は月2万6000円支給を断念し、3歳未満にのみ2万円に引き上げるため2000億円を追加計上しました。24年度完全実施を目指す高速道路無料化は1200億円にとどめ、区間の大幅拡大は出来ませんでした。
 成長分野やマニフェスト施策に重点配分する「元気な日本復活特別枠」は2兆1000億円。予算の大幅な組み替えを目指したが、既存予算の看板掛け替えが大半を占めています。
 歳入面では、税収が40兆9270億円、「埋蔵金」など税外収入は、特会の剰余金などをかき集め、過去3番目となる7兆1866億円を計上しました。一方、事業仕分けによる歳出削減額は、わずか3000億円にとどまりました。看板倒れとの批判は免れません。
 民主党政権の2回の予算編成で、日本の財政は完全に破綻の一歩手前と言っても過言ではありません。こうした無策の予算案を認めるわけにはいきません。