参考写真 2月2日の衆院予算委員会で、公明党の石井啓一政務調査会長(茨城県本部代表)は、経済の危機的状況に立ち向かう緊張感が感じられない中途半端な民主党政権の景気・デフレ対応を、厳しく批判しました。
 この中で石井政調会長は、資金需要の高まる年度末が間近に迫っていることを念頭に、中小企業の資金繰り対策に言及。「緊急保証制度が今年度末でなくなることを懸念している」と指摘しました。
 世界経済を震え上がらせた2008年のリーマン・ショックに対し、当時の自公政権は即座に08年度の第1次補正予算を編成。中小企業の資金繰り対策でも万全のセーフティーネット(安全網)を張り巡らせました。その一つが緊急保証制度です。最大の特徴は信用保証協会による100%保証にあります。民間金融機関から融資を受けた中小企業が仮に返済不能に陥った場合でも、信用保証協会が10割、すなわちその全額を中小企業に代わって債務を肩代わりするという制度です。こうした枠組みを整えることで、金融機関による中小企業への融資をより円滑に進める狙いがありました。
 国と地方の緊密なネットワーク力で現場の窮状をつぶさに知る公明党は、対象業種の拡充を政府に重ねて主張。緊急保証制度は原則、全業種で利用が可能になるまで広がりました。
 政府は、中小・小規模企業の資金繰り環境がリーマン・ショック前の水準よりも回復し、緊急保証制度の実績も落ち着いているとして、予定通り今年3月末で緊急保証制度を打ち切る方針です。代替策として、同様に信用保証協会が10割保証をするセーフティネット保証を多少柔軟に運用することで対応すると説明しています。しかし、緊急保証と比べると約3割が対象業種から外れることになります。本当にこれで大丈夫なのでしょうか。
 一方、公明党が延長を訴えてきた中小企業金融円滑化法について、政府は1年延長する方針です。これにより緊急避難的な返済猶予の仕組みは当面維持されることになる。こうした返済先送りにとどまらず、この間を経営改善のための反転攻勢の好機としていくための経営面でのサポート体制強化なども行うべきです。
 経済はグローバル化し、いつ状況が激変するか分かりません。攻めの経済対策も、万が一の時のセーフティーネットがあってこそ実効性を増すことを忘れてはなりません。