参考写真 2月10日、井手よしひろ県議と高崎進県議(水戸市選出)は、次世代のクルマとして注目を浴びている日産の電気自動車(EV車)リーフを試乗、茨城日産の役員より説明を聴取しました。
 2月10日から日産レンタカーは、全国の営業所にEV「リーフ」を全国350の営業所に400台投入。一般顧客も気軽にEV車を運転できるようになりました。一方、沖縄では、今月1日、ニッポンレンタカーが100台、日産レンタカーが70台、オリックス自動車が50台、合計220台のリーフが導入され、これまでは全国的にみてもEVのレンタカーは20台を超える程度でしたので、急激にEV車が広まったことになります。
 井手県議は、日産レンターカーのウェッブサイトからリーフを予約。水戸南営業所で手続きを終え、リーフの実車を体感しました。
 運転の感覚は、スイッチ周りやシフト、サイドブレーキの感覚は、自家用車として使っているトヨタ・プリウスに酷似しており、全く違和感はありませんでした。いきなりガソリン車のユーザーが運転をすると、余りの頼りなさに、運転している実感がないかもしれません。しかし、一端走り出すとガソリン車のそれとは全く別次元の加速感や高速の安定性が感じられました。200キロ以上あるリチウムバッテリーを車両の中央部の低い位置に配しているために、車のバランスが非常に良いと説明を受けました。
参考写真 リーフは走行中にCO2をまったく排出しない環境にやさしい自動車です。モーターがもたらす大排気量車のようなパワフルで滑らかな加速性能。最高級車のような静粛性。そして圧倒的な低燃費と多くのメリットがあります(日産の試算では、リーフで6年間、東京電力の夜間電気料金で充電して月1000km走行した際の電気代は8万6000円。ガソリン車の場合はガソリン1リッターを148円として67万円で、燃費は8分の1となる計算です)
 反面、大きな欠点が2つ。1つが車両価格が高額であること、第2にフル充電で走行できる距離が200キロと短いことです。
 今日、借り受けたリーフXタイプの本体価格は376万円。取得税、重量税は免税。自動車税は年間2万9500円。国からの購入補助が78万円受けられるため、購入費用は実質298万円となります。購入補助を自治体が上乗せしている事例もあります。例えば、神奈川県は39万円の県費補助を行い、購入価格は256万円となります。
 補助金を計算に入れても、このクラスのガソリン車の乗り出し価格は200万円程度であり、割高感は否定できません。
 走行距離の短さも大きな課題です。リーフはフル充電で最大200キロ走れるとしていますが、レンタカーの貸出時には最大走行距離は160キロ以内にしてほしいと説明されます。さらに条件によっては、かなり短くなります。井手県議が、この日実際に走行した距離は約33キロ。メータに表示される走行可能距離数は160キロから65キロに95キロも短くなっており、アイドリングや暖房、オーディ機器の使用などで、航続距離は大きく変化してしまうことが分かりました。
 現在、茨城県内で急速充電が出来るスポットは、日産系のディーラと日産レンタカーの営業所のみ。公衆充電スポットの整備が不可欠です。
 2008年度から経済産業省は、「EV・pHV(プラグインハイブリッド車)タウン構想」として、CO2排出量の削減やEV・pHVの本格普及に向けたモデル事業募集を始めました。これを受けて、充電設備の拡充などに力を入れている自治体や企業も増えてきました。特に、購入補助金の上乗せも行っている神奈川は既に県内30カ所に急速充電器を設置し、14年までに充電器を1000基設置する予定です。同様の事業は東京、青森、新潟、福井、愛知、京都、長崎なども取り組んでいます。沖縄県では2010年3月、県内外の企業26社が出資、充電インフラ会社アドバンスト・エネルギー・カンパニー(AEC)を設立し、ホテルや観光施設などに18カ所27基の充電設備を設置しました。
 EVを取り巻く環境整備は静かに、確実に進んでいます。日産リーフの登場によって、充電設備の規格も統一され、三菱iMiEVやスバル・プラグインステラなどの先発EV車の充電も同じ設備で行うことができるようになりました。県庁や市役所などの公的施設や大型ショッピングセンターなどには、先行して充電施設の整備を行う必要があります。
 井手県議らは、リーフの試乗やディーラーからの聴き取り調査をもとに、充電施設の県庁舎への整備や市町村が先導的に、EV車を公用車として採用するよう働きかけていく方針です。