参考写真 1月23日、グリーンエネルギー認証センター(財団法人日本エネルギー経済研究所)では、新たに雪氷エネルギーとバイオマス熱にも「グリーン熱証書」を発行することを公表しました。
 「グリーン電力(熱)証書」とは、風力や太陽光、バイオマスなどのグリーンな電気が持つ「環境価値」を「証書」化して取引することで、再生可能エネルギーの普及・拡大を応援する仕組みのことです。
 国内のグリーン電力証書取引は、平成12年11月に開始以降、年々取引量が増加し、平成19年度から平成20年度にかけては取引量が2倍に急増し、平成21年には発行量が2億キロワットアワーを超えました。
 この背景には、自公政権下の平成21年度環境省施策(斉藤環境大臣:当時)として「グリーン電力証書の需要創出モデル事業」を推進したこともあり、地方自治体によるイベント等でのグリーン電力証書の活用が広がっています。
 さらには、平成21年4月より、太陽熱について「グリーン電力証書」の運用が開始され、先にも述べましたが本年1月からは、雪氷エネルギーとバイオマス熱によるグリーン熱証書の認証が開始されるなど、年々対象範囲も拡大しています。
 地方自治体の取組として注目されているのは、愛媛県松山市の事例です。松山市は、平成21年に自治体としては初めてとなるグリーン電力証書を発行する事業をスタートとさせました。
 また、東京都は平成22年度より一定基準以上の温室効果ガスを排出している企業に対し排出総量規制(東京都環境確保条例、平成20年改正)を開始しましたが、この制度の中で自社での温室効果ガスの削減が難しい場合に、目標達成のために取引して良いクレジットとしてグリーン電力とグリーン熱証書を認めるなど、各自治体で様々な方法で再生エネルギーの普及拡大を図る新たな温暖化対策を展開しています。
 茨城県まらびに県内自治体でのグリーン電力証書の発行への動きはあまり進んでいないのが現実です。
 一方、グリーン電力証を活用した取組は、様々なイベントなどで積極的に行われています。カシマスタジアムで行われたJリーグの試合に、グリーン電力が活用された事例が有名です。
参考:茨城県の活用事例:環境にやさしいグリーン電力を活用しよう!!
松山市:全国自治体で初、太陽光発電を「グリーン電力証書」として取引
 愛媛県松山市は2009年11月、太陽光で発電した電力を企業などに売却できる「グリーン電力証書」の取り扱い資格を取得し、今年度からモデル事業をスタートさせました。太陽光発電分野での同証書の発行は、自治体で初の取り組みとして注目を集めています。
 温暖少雨の瀬戸内海式気候の松山市は、年間日照時間が全国平均を上回る2000時間を超えています。松山市はこの特性を生かして太陽光発電システムの導入に積極的に取り組んできました。
 2000年から市独自に太陽光発電システム設置補助事業(1キロワット8万円、上限40万円など)を行い、一般住宅への設置件数は2009年1月末現在、約2700件を超えるなど着実に普及。2008年1月には、公共施設ソーラー発電倍増計画などをめざす「松山サンシャインプロジェクト」を策定し、その一環として実施したのがグリーン電力証書発行の取り組みでした。
 松山市は22カ所の公共施設に太陽光発電システムを設置していますが、このうち発電量の大きい野外活動センターを含めた3施設で使用した電力(年間約10万キロワットを想定)などを証書化して販売します。
 一方、グリーン電力証書を購入する企業は、独自に発電設備を持たなくてもクリーンな自然エネルギーを使っているものとみなされ、〝地球環境に優しい企業〟であることをアピールできるメリットがあります。企業には100キロワット単位で販売し、価格は1キロワット当たり17円。収益金は太陽光発電の導入支援に充てます。