年金一元化=保険料未定、最低保障=線引き不明
民主案導入なら、中堅層の受給減は確実

参考写真 2月8日の衆議院予算委委員会では、久しぶりに坂口力公明党副代表(元厚生労働大臣)が質問に立ちました。坂口副代表は、民主党の社会保障制度と税の一体改革について、最低保障年金7万円を年収いくらの世帯から実施するのか、一元化をどうするのか「民主党案は中身が全く決まっていない。まるで幼稚園児のお絵かきに近い」と痛烈に批判しました。
 坂口副代表は年金制度改革に関する民主党政権の対応について、昨年2月の菅直人財務相(当時)の答弁で「原案を示す」としていたにもかかわらず、今年2日の菅首相の答弁では、一元化の保険料負担や最低保障年金の数字について「固まっていない」とし、今後、「マニフェストをベースに議論」と変節してきている点に言及。「鳩山前首相は(議論の)ベースになるものを作らないと政権与党として無責任の謗りを免れないと言ったが、1年かけてもできなかった」とし、政府・民主党の対応を批判しました。
参考写真 政府の具体案作成の中心者となる与謝野馨社会保障・税一体改革担当相は、さまざまな意見を踏まえ「白紙の気持ちで虚心坦懐、勉強して案を作る」と答弁。これに対し坂口氏は、民主党の具体案が示されない現状では「マニフェストの痕跡すら残らないことになりかねない」と疑問を呈しました。
 また、坂口副代表は民主党年金案の最低保障年金の支給対象について、仮に年収200万円未満の人と設定した場合でも12兆円の財源が必要になるとの試算を提示。「首相が考える最低保障年金はどの辺で線を引くか。200万円より、もっと上げるのか」とただした。菅首相が明言を避けたのを受け、坂口氏は「最低保障年金も一元化も決まっていないということ。民主党案は“絵に描いた餅”だ」と、改めて糾弾しました。
 さらに坂口副代表は、年収200万円未満の低所得世帯に基礎年金を52%上乗せする公明党の「基礎年金加算」案なら、追加財源は1兆円で済むことを説明。民主党案は、巨額な財源を必要とするが、中堅所得層には最低保障年金の上乗せもなく、基礎年金もなくなるとし、「中堅サラリーマン(の受給額)は減るのは間違いない」と問題点を指摘しました。