参考写真
 2月28日、井手よしひろ県議らは「圏央道の整備促進に関する意見書」案を、県議会定例会に提出することになりました。
 圏央道は、首都圏における交通の円滑化や沿線地域の発展に不可欠な基幹インフラです。すでに茨城県内の沿線地域においては、日野自動車や雪印乳業など全線開通を見据えた企業の立地が進んでおり、一日も早い県内区間(東北道〜東関道水戸線間)の開通が期待されています。
 しかし、現在整備が進められている東北道〜つくば中央IC間及び稲敷IC〜東関道水戸線間については、もともと“有料道路事業”で工事が進められてきましたが、民主党への政権交代により“合併施行方式”に変更された経緯があります。合併施行方式では、国の直轄事業で道路の盛り土や橋梁などの主要部が建設されます。これから開通までに約1,320億円にも及ぶ事業費が必要になることから、国の直轄公共事業で工事を進めると開通時期の大幅な遅れが懸念されます。(ちなみに平成23年度のこの区間の事業費予算は67億円から104億円と見込まれています。毎年、100億円の予算が計上されたとしても完成までに13年間以上もかかる計算になります)
 さらに、この区間には用地買収難航箇所があり、早期の収用手続き着手が不可欠です。そのためには、事業者と事業期間が定められことが必要です。また、もともと圏央道は有料道路事業で都市計画決定されているために、国直轄事業しか入っていない状況では、収用手続きに入れない状況となっています。
 圏央道の早期開通を目指すためには、今一度、合併施行方式から有料道路事業に工事方式を変更する必要があります。
 民主党政権の“高速道路無料”という荒唐無稽の政策によって、茨城県の発展の基盤となる圏央道の建設がこれ以上遅れることは許されません。
 こうした認識の元、茨城県議会として、以下の2点を国に要望する意見書を提出することにしました。
<要望事項>
  1. 「東北道〜(仮)五霞IC間」及び「稲敷IC〜東関道水戸線間」については、平成24年度開通目標を着実に達成するとともに、「(仮)五霞IC〜つくば中央IC間」については、平成26年度以降とされた開通目標の前倒しを図ること。
  2. このため,直轄事業に必要な予算を確保するとともに、早急に有料道路事業の許可を行い、土地収用手続きへの着手と有料道路事業の活用により整備を促進させること。


合併施行方式
 道路整備における合併施行方式とは、公共事業と有料道路事業を併用して一般有料道路や都市高速道路を整備することをいいます。
 まず、公共事業者(国土交通省)が用地買収と建設工事の途中までを行います。その後、有料道路事業者(NEXCO東日本)が公共事業者から事業の引継を受け、残りの建設工事と開通後の管理を行います。
 公共事業と有料道路事業との比率は、それぞれの道路や区間ごとに公共事業者と有料道路事業者との協議により決められます。
 通行料金による回収の対象は、有料道路事業者が行った建設工事費用と開通後の管理費用に限られるため、通行料金を安く抑えて通行量を確保することで、有料道路事業の採算性を向上させることができ早期の整備につながるとされています。
 反面、先行して工事を行う国の事業費が確保できない場合、工事期間が大幅に伸びることになります。

有料道路方式
 有料道路方式は、有料道路事業者(NEXCO東日本)が銀行等から資金を調達して、工事を施工する方式。工事費は通行料金によってまかなわれます。結果的に通行料金は高めになりますが、工事期間が短く効率的な施行が可能です。