3月22日、茨城県議会本会議が開かれ、平成23年度の予算、平成22年度の補正予算が原案通り可決されました。
 この日の本会議は、議会議事堂が震災の影響で、壁面が落下する恐れがあるため、議会大会議室に場所を移して開催されました。知事をはじめとする執行部、出席した県議も全て防災服を着用して本会議に出席。まさに、異例の本会議風景となりました。
 本会議の冒頭、東日本大震災の犠牲者を悼んで1分間の黙祷。その後、議員提案で「東日本大震災からの復興に関する緊急決議」、県議会議員の報酬を1割カットする条例、「子ども手当」財源の地方負担に反対する意見書、第74回国民体育大会の招致に関する意見書などが上程され、それぞれ可決されました。
 最後に、橋本県知事が発言を求め、今回の震災の被災状況、福島県の原発事故への対応、県産の野菜の放射能汚染などについて報告しました。
 このブログでは、「東日本大震災からの復興に関する緊急決議」と「『子ども手当』財源の地方負担等に反対し、民主党衆議院選挙マニフェストの早期の撤回・見直し、被災地の復興支援を求める意見書」、「知事報告」の全文を掲載します。

平成23年東日本大震災からの復興に関する緊急決議
 去る3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震及びそれに伴う大津波は、東北地方を中心に、8千人を超える死者及び1万2千人を超える行方不明者、多数の負傷者など、人命に多大の損害を与えるとともに、家屋の流失、損壊、鉄道・道路の破壊など、甚大な被害をもたらした。また、原子力発電所にも深刻な損害を与え、原子力非常事態宣言が史上初めて発せられるなど、この震災が我が国の社会・経済に与えた影響は計り知れない。
 本県においても、死者は19人、負傷者も多数にのぼり、道路・鉄道等の社会インフラ、電気・ガス・水道等のライフラインに甚大な被害を与え、住宅損壊をはじめ県民生活は深刻な影響を蒙っている。
 本県議会は、この震災によって不幸にも犠牲となられた方々に、衷心より哀悼の意を表し、被害に遭われた全ての皆様に、心からのお見舞いを申し上げる。
 また、今回の災害に対応するため、被災地の皆様は懸命の努力を続けておられ、各市町村も、全庁挙げて救援・支援活動に注力されている。知事はじめ執行部におかれては、間髪をおかず、災害対策本部を設置され、不眠不休の対応を継続されておられるほか、全国各地、世界各国の方々からも、救援・支援・協力をいただいている。
 ここに、災害に立ち向かっておられる全ての方々に対し、深く感謝を申し上げるとともに、敬意を表するものである。
 今回の地震は、我が国地震観測史上最大の、マグニチュード9.0、最大震度7という激烈な規模であったとはいうものの、地震国日本としての過去の経験に立った防災対策をも上回る被害をもたらし、苦い教訓を残す結果となった。
 今なお、ライフラインには大きな障害が残り、復旧の途上である。県民生活は平静に戻っておらず、多数の方々が避難所での不自由な生活を余儀なくされている状況にあり、住宅や医療、生活必需品の確保などは喫緊の課題である。
 また、将来、このような悲劇を二度と繰り返さないために、地震・津波等への対策、救命救急対策、原子力安全対策も含めた恒久的な防災対策等を抜本的に見直さなくてはならない。
 よって、県議会は、災害対策会議を設置し、執行部の進める被災者対策や被災地の復旧対策に、議会の立場から協力し、連携して本県の復興に当たることとした。
 本県議会は、ここに、今回の大震災の被災者救済と県民生活の一日も早い復興及び災害に強いいばらきづくりに向け、県民各位の理解と協力のもと、全力を債注して取り組むことを表明するものである。
 以上、決議する。
平成23年3月22日
茨城県議会


「子ども手当」財源の地方負担等に反対し、民主党衆議院選挙マニフェストの早期の撤回・見直し、被災地の復興支援を求める意見書
 民主党は、平成21年衆議院選挙で、無駄削減や国の総予算の組み替えを行うことなどで財源を捻出し、「子ども手当」や高速道路無料化等の政策を推進していくことを国民に約束した。そして、そのマニフェストに対する信頼をもって政権を託された。
 しかし、今年度予算や来年度予算案を見ても、新規の国債発行額が税収を上回る異常事態となっており、平成23年度末の国と地方の長期債務残高は、892兆円にも及ぶ見通しである。このような中、このまま民主党の主張するマニフェストを推進していくことには限界がある。
 特に「子ども手当」については、国が全額負担すべきであるにもかかわらず、地方に対する十分な協議もないまま、地方負担が継続して求められており、誠に遺憾である。
 よって、政府においては、「子ども手当」に係る制度設計について、直ちに地方との十分な協議を行い、地方に負担を転嫁することなく、国が全責任を持って全額国庫負担とするよう、強く求めるものである。
 また、このような中、政府・与党は、マニフェストの検証を今年の9月を一つの区切りとして行う旨を述べているが、今般の東北地方太平洋沖地震の状況に鑑みれば、日本経済を破綻させないためにも一刻も早いマニフェストの撤回・見直しが急務である。
 政府・与党は、社会保障と税の一体改革の与野党協議を呼びかけているが、先ずは子ども手当をはじめとするバラマキ政策を撤回し、被災後の窮状にあえぐ事業者の金融支援や、災害対策予算の充分な確保等の見直しが大前提であることは明白である。
 国民のマニフェストそのものに対する信頼も揺らいでおり、財源の甘い見通しにより、マニフェストの実現が不可能だったことを率直に国民に謝罪すべきである。
 そして、マニフェストの撤回・見直しを行う以上、衆議院を解散して国民に真を問い直すことを強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


知事報告
 発言の機会をいただきましたので、去る3月11日に発生いたしました東北地方太平洋沖地震について、報告を申し上げます。
 はじめに、この度の災害により亡くなられた多数の方々のご冥福を謹んでお祈り申し上げます。また、未だ安否が確認されていない方々のご無事をお祈り申し上げますとともに、被害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 さらに、救援活動や復旧活動に大変なご尽力をいただいている市町村の関係者、消防、警察、自衛隊、災害派遣医療チーム(DMAT)、災害ボランティアや建設業者などの皆様方、いち早く救援物資や善意の心をお寄せ下さいました方々などに対し、深く感謝の意を表する次第でございます。
 また、災害対策を最優先すべきとして、弾力的な議会運営など種々ご配慮をいただきました田山議長はじめ県議会の皆様に心から感謝申し上げます。
(地震・津波災害の概要と対応)
 まず、地震災害の概要と対応についてであります。
 3月11日午後2時46分、三陸沖で発生した我が国観測史上最大のマグニチュード9.0という未曾有の巨大地震は、宮城県栗原市において震度7を記録するとともに、本県でも日立市ほか3市において震度6強と、これまで県内において発生した地震の中で最も大きな震度を記録いたしました。また、その約30分後に本県沖を震源として発生したマグニチュード7.4の地震でも、鉾田市で震度6弱を記録したところであります。また、東北地方の太平洋沿岸において、最大波が23メートル以上と言われる津波が来襲し、多くの人命を奪い市街地等に壊滅的な打撃を与えました。本県におきましても、地震に加え、最大6.3メートルに達したと言われる津波により、多くの人命が奪われるとともに、家屋や船舶等に甚大な被害が生じております。
 本県の主な被害状況でございますが、人的被害につきましては、本日午前9時現在で、死者19名、重症者30名、負傷者約640名、行方不明者1名となっております。住宅等の被害については、詳細は現在調査中でありますが、これまでで既に、全壊216棟、半壊1,571棟、一部損壊41,731棟の報告を受けておりますほか、床上浸水や床下浸水も相当な数が見込まれるなど、甚大な被害が生じております。
 また、電気、水道、・ガスなどのライフラインが大きなダメージを受け、地震発生直後においては、電気については、県内の約80パーセントが停電し、水道については、全域断水26市町村、’一部断水12市町村という状況でありました。
 このため、県内各市町村で、避難所の設置及び食料、飲料水の供給など、救助のために迅速な対策を実施していただいたところでありますが、現在も35市町村で95か所の避難所が設置され、1,746人の県民の皆様が避難生活を余儀なくされているところであります。
 交通インフラにつきましても、県内の高速道路が、一時、全線が通行止め、県管理道路も、橋梁42か所を含め133か所で通行止めとなったほか、茨城港の各港区や鹿島港も、液状化の影響や陥没などにより使用できない状態となるなど、大きな被害を生じております。また、常磐線をはじめJR各線やつくばエクスプレス、大洗鹿島線などの鉄道各線や県内各バス路線など、公共交通機関の運行にも多大な支障を来しているところであります。なお、茨城空港につきましては、ターミナルビルの天井は損傷いたしましたが、滑走路の使用については地震の影響はありませんでした。
 また、県立カシマサッカーネタジアムや県民文化センター、近代美術館など多くの県有公共施設が損傷を受けたところから、利用者の安全等を考慮し、一部の施設について閉館等の措置をとらさせていただいております。
 次に、地震災害に係る本県の対応についてであります。
 県といたしましては、3月11日午後2時46分、地震発生と同時に災害対策本部を立ち上げ、職員一丸となって、24時間態勢で、迅速な情報収集と情報提供、的確な応急対策や復旧対策などに取り組んできたところであります。
 具体的には、自衛隊へ災害派遣要請を行うとともに、災害用救援物資の配布や県防災ヘリによる被害状況の調査など、被災者の救助、救援活動等に全力で努めてまいりましたほか、今回の地震による被害情報やライフラインの状況など、県民の皆様にとって必要不可欠な情報にづいて、テレビ、ラジオ、新聞等各種メディアや県ホームページを活用し、適時適切な提供に努めてまいりました。
 あわせて、県が管理する道路や河川、水道や工業用水道、流域下水道など、県民生活や産業活動に密接に係わる各種の県公共施設等の応急復旧に全力で取り組んでまいりました。現在の状況を申し上げますと、県管理道路につきましては、橋梁26か所を含む85か所で通行止めを解除し、残る48か所の復旧に努めているところであります。水道につきましては、企業局の水道用水供給事業は、送水対象37市町村のうち神栖市及び水戸市内原地区を除き送水が可能な状態となっておりますものの市町村の末端給水施設の復旧の遅れなどから、未だ全域断水
1市、一部断水16市町村となっております。また、電気につきましては、3月18日午後10時10分、全ての市町村で復旧いたしました。次に、県の工業用水につきましては、連絡管の活用など工夫を重ねて応急復旧に努め、被災翌日には一部配水を開始し、現在は、配水対象全社全事業所への配水が可能となっております。
 また、県内鉄道各線や県内バス路線など、公共交通機関につきましては、できる限り早期の復旧と通常の運行体制を確保されるよう関係機関に強く働きかけているところであります。なお、茨城空港につきましては、スカイマーク社の国内便は3月14日より運航しておりますが、ソウル便及び上海便が運休状態となっておりますので、運休中の各航空会社に対し、早期の運航再開を要請しているところであります。
 また、災害用緊急車両等のガソリンや軽油については、災害用車両に対応するためのガソリンスタンドを確保していただくとともに、医療機関の非常電源用燃料をはじめ日常生活に必要不可欠な燃料を確保するため、災害直後から政府や石油業界に強く働きかけてきているところであります。
(東京電力福島第一原子力発電所事故の概要と対応)
 次に、東京電力福島第一原子力発電所事故の概要と対応についてであります。
 福島第一原子力発電所につきましては、今回の地震と津波により、原子炉の冷却機能を喪失したことなどから、災害の拡大防止を図るための応急対策を実施する必要があるとされ、3月11日、内閣総理大臣が原子力緊急事態を宣言いたしました。その後、1号機及び3号機は原子炉建屋が爆発し、2号機及び4号機は建屋内で爆発が確認されたところから、発電所から半径20キロメートルの範囲の住民に避難指示が出されるとともに、20キ占メートルから30キロメートルの範囲の住民に対して屋内退避指示が出されたところであります。現在、国などにより事態を沈静化させるための懸命の努力が続けられておりますが、本県としても、放射性物質の飛来による影響への対応あるいは避難民の受入れ等に取り組んでいるところであります。
 県といたしましては、東海・大洗地区の固定放射線測定局の値を継続監視しますとともに、福島第一原子力発電所1号機建屋の爆発を受け、3月13日以降、北茨城市役所、高萩市の小山ダム及び大子工務所に可搬型モニタリングポストを設置し放射線の測定を行うなど、監視体制の強化を図ったところであります。これまでの観測結果をみますと、3月16日正午に、最大0.015ミリシーベルト/時間と、通常時に比べ約300倍の値を記録しておりますが、この値は、胸部レントゲン撮影時の0.05ミリシーベルトの3分の1程度、また、日本人が1年間に自然界から受ける放射線量1.48ミリシーベルトの100分の1程度であり、健康には全く影響はない非常に低いレづルのものであり、測定結果については、10分おきに県民の皆様に情報提供しているところであります。
 また、逼迫する電力需給に対応するための東京電力による計画停電につきましては、本県で最初に実施されましたところから、東京電力の社長及び国の災害対策本部長である菅内閣総理大臣に対し、今回の地震・津波で大きな被害を被っている被災地に十分配慮するようその日の夜に強く申入れをいたしました。その結果、明朝6時過ぎには、本県を計画停電の対象から外す旨、東京電力から連絡があったところであります。本県の要望に沿って迅速な決定をしていただいた関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
 さらに、県外からの避難者に対しましては、一時、福島県境の国道2か所において臨時的に放射線被ばく検査を行いましたが、その後の状況変化を踏まえ、現在では日立・水戸・土浦の3保健所において同検査を引き続き実施しているところであります。これまでのところ、健康に被害を受けるようなレベルの方は一人もおりません。福島県からの避難者につきましては、市町村と協力しながら前向きに受け入れているところであり、現在、16市町と県有4施設において、1,836人を受け入れているところであります。
 また、本県内の農産物等への影響を調査しましたところ、県内各地から採取したホウレシゾウの大部分のものについて、厚生労働省が定めた食品衛生法上の暫定規制値を超える放射性ヨウ素及び放射性セシウムが検出されましたことから、国の通知に従い、JA及び市町村に対してホウレンソウの出荷販売を自粛するよう要請してきたところであります。さらに昨日、原子力災害対策本部長である内閣総理大臣から指示がありましたので、関係者に出荷を差し控えるよう要請をいたしました。地域によっては、放射性ヨウ素の規制値の27倍の54,100ベクレルという数値が測定されたところもありましたが、これは1年間、毎日15グラムずつそのホウレンソウを摂取し続けたとしてもCTスキャンを受ける場合の放射線の3分の2程度の量にとどまるものであり、健康面への影響は考えられないところであります。なお、飲料水につきましては、北茨城市、高萩市、水戸市及びつくば市において影響を検査しましたが、一番高い数値でも基準の30分の1であるなど、安心して使用いただけるレベルであります。今後とも、必要に応じて検査を行い、安全性の確認と適切な広報に努めてまいります。
 これまで申し上げてまいりましたように、今回の福島第一原子力発電所の事故に伴う本県内での放射線の影響につきましては、現在までのところ、何らかの行動が必要とされるレベルのものではありませんので、県民の皆様には冷静に行動していただきたいと存じます。ツイッターやチェーンメール等で誤った情報が流されておりますので、風評被害などを来すことのないよう、正しい知識や情報の的確な提供に努めてまいります。
 東京電力福島第一原子力発電所においては、未だ予断を許さない状況が続いておりますが、一刻も早く事態が終息することを強く願っているところであります。
(まとめ)
 今回の地震や津波等による被害は歴史上稀にみる甚大なものであり、加えて、国際原子力事故評価尺度のレベル5に位置付けられる原子力事故が発生し、我が国は今、まさに戦後最大の危機に直面していると言っても過言ではありません。
 国民や県民の皆様の生活の再建はもとより、ずたずたに切り裂かれた社会資本の復旧に努め、以前のような豊かな日本を取り戻すためには、長い年月と膨大な財源が必要になってまいります。
 また、OECDなどによると、今回の地震や津波による被害は、阪神・淡路大震災を上回るものと考えられ、また、今回の原発事故による電力の供給不足や価格の上昇は、国民生活や産業活動に大きな影響をもたらすものと危慎されており、日本経済の先行きは大変憂慮される状況にあります。
 国におきましては、これまで、「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」に基づく激甚災害の指定を行ったほか、被災者への物資支援(302億円)などの対応をしておりますが、今後、今回の災害からの復旧・復興に当たっては、特別立法等の措置を講じるなど、政府の強いリーダーシップの下、被災者の支援、ライフラインや交通インフラの復旧、経済の復興などに当たっていただくよう強く要請したいと存じます。
 県といたしましても、災害救助法を37市町村に適用し財政面での支援を行いますとともに、被災者生活再建支援制度の活用により、家を失われた皆様などに対して、住宅建設等のための支援をしてまいります。また、災害対応をスムーズに進めるため、県の人事異動も半月ほど遅らせて実施したいと考えております。
 今後とも、県民の皆様が一日も早く安心して暮らせますよう、また、産業活動などができるだけ早く立ち直れますよう、復旧と復興、生活の不安解消に全力を挙げて取り、組んでまいります。
 県はもとより、市町村、県民、企業やNPOなど県内のあらゆる関係者が一致団結して復旧、復興に取り組み、この困難を乗り越えていきたいと存じますので、県議会の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。