参考写真 東日本大地震による福島第1原子力発電所の事故で放射能被害への不安が広がっています。放射線は健康にどのように影響するのか、日常生活の注意点などを、公明新聞3月20日付の記事や茨城県のホームページを参考に、取りまとめました。
 茨城県では、今回の事故を受け、放射線の量を測定する可搬型モニタリングポストを、3月13日以降、北茨城市などに設置して観測を行っています。(茨城県の放射線量の状況について)
 その数値は、3月16日正午に、最大15マイクロシーベルト(0.015ミリシーベルト)程度を記録しました。この値は、通常時に比べますと約300倍となっておりますが、胸部レントゲン撮影時(0.05ミリシーベルト)の3分の1程度のレベルであり、健康には全く影響はありません。
 この0.015ミリシーベルトがどの程度のレベルなのかということにつきまして、身近な事例と比べてみますと、日本人が1年間に自然界から受ける放射線の量(1.48ミリシーベルト)の100分の1程度となっており、非常に小さいレベルであることがわかります。
 身体への影響は、放射線量が1000ミリシーベルトを超えると、吐き気などの症状が出ます。それよりも大幅に低い100ミリシーベルト程度の放射線量であれば症状もなく、血液検査でも、白血球の数値が下がるなどの異常は見られません。
 しかし、この100ミリシーベルトの蓄積があれば、発がんリスク(危険性)は若干高まります。ただ、それはごくわずかで0.5%程度の確率です。日本人はもともと2人に1人、50%の確率でがんになりますが、それが50.5%になるという程度といわれています。
 また、放射線を一度に浴びた場合と長時間浴びた場合にも、人体に与える影響には差があります。例えば、原発の作業員などが、事故で一度に大量の放射線を浴びるようなケースは危険です。
 反面、普段の生活の中で少量を浴び続けたとしても、生物のDNAは、放射線で一時的に壊されてもすぐに修復されるので、人体に与える影響は小さいのです。
 東京周辺では、1時間当たり1マイクロシーベルト(0.001ミリシーベルト)程度の放射線が観測されましたが、この量で先ほどの100ミリシーベルトに達するのには11年かかります。しかし傷つけられたDNAは日々修復されてしまうため、医学的にも影響はほとんどないとされています。
 隣県の福島県では福島第1原発より20キロ圏内では、屋内退避域内となっています。そのような地域での放射性物質を浴びるのを防ぐための注意点は、放射性物質を体内に取り込む「内部被曝」を防ぐことが大切です。
 基本的には、花粉の対処法と一緒といわれています。外ではマスクやぬれたタオルで鼻や口をふさぐ。肌の露出は避け、家に帰ったら、玄関に入る前に頭や着衣をよく払うことなどが大切です。
 また、家の中では外気とともに放射性物質が侵入しないように窓を閉めることも大切です。外出については、できるだけ車を使ったほうが安全です。車の室内には外気を入れないようエアコンをコントロールしてください。
 なお、雨が降った場合には、一般的には観測される放射線の数値が上昇するとされています。もともと茨城県内で観測された値は最大でも0.015ミリシーベルト程度(北茨城市で3月16日に測定)と極めて低いレベルにあります。このレベルは、仮に1日24時間雨の中に立ち続けたとしても、受ける放射線の量は0.36ミリシーベルトと、全身CTスキャン1回分の約19分の1(5.2%)であり、心配しなければならないレベルではありません。
 もちろん、雨に濡れないにこしたことはありませんが、万が一濡れてしまっても、神経質になられる必要はないレベルであると考えられます。
 それでもなお、ご心配な方は、国において、「次のような配慮をすれば、さらに安心です」とのことですので、ご紹介します。(1)特に急ぎの用事でなければ、雨がやんでから外出する。(2)頭髪や皮膚が、あまり雨で濡れないようにする。(3)頭髪や皮膚が雨に濡れても心配は無いが、気になる場合は、念のため流水でよく洗う。
『放射性物質』
放射線を出す物質。自然界に存在するラジウムやウラン、原発の核分裂で生成されるセシウムやヨウ素などを指す。放射線を出す能力を放射能という。放射線が人体に与える影響を示す単位が「シーベルト」。1シーベルトの1000分の1が1ミリシーベルト、その1000分の1が1マイクロシーベルト。
人間が全身に、一度に大量の放射線を浴びた場合、500ミリシーベルトで血中のリンパ球が減少、7000〜1万ミリシーベルトで100%死亡するとされる。
胃のエックス線集団検診は1回0.6ミリシーベルト。