参考写真 5月6日、井手よしひろ県議ら公明党茨城県議団(高崎進、田村佳子、八島功男各県議)は県立中央病院を訪れ、永井秀雄病院長らから東日本大震災による被災状況を聴き取り調査するとともに、現地調査を行いました。
 県立中央病院は、3月11日に発生した東日本震災により大きな影響を受けました。
 外来機能は、本館中央の外来ロービー大理石化粧板が崩落し、中央ホール(受付・会計窓口)が使えなくなったために、3月1日にオープンした災害医療センターに臨時の受付・会計窓口を設置し、1日だけ外来を休診しただけで15日から受付を再開しました。破損した化粧板を全て撤去し、3月31日から中央ホールの使用を再開しました。
参考写真 入院機能は、本館の中庭外壁に激しい亀裂が発生し、一部鉄筋がむき出しとなったり、壁が崩れたりしました。内壁も広い範囲にひび割れが発生しました。中央病院は震災直後、入院していた348人の患者を全て屋外に待避させました。建物の安全性が確認できなかったため、本館の入院機能停止を判断し、入院患者をがんセンターと2月に開設された救急センターに移動させました。耐震調査の結果、主体構造には問題がないことが確認されたために、4階部を除き入院機能を17日から順次再開させました。4階部は婦人科病棟として5月中旬に再開する計画で、現在準備が急がれています。
 救急医療関係では、震災直後、電源トランスの破損により外部電源の受電が出来なくなりましが、非常用電源で対応することが出来ました。震災直後は20床の救急センターに100名以上が入院するという野戦病院のような状況でしたが、入院患者を通常の病棟に戻すとともに機能が回復し、22日以降、通常の体制で救急患者を受け入れられるようになりました。
 透析センター、化学療法センターは、天井配管の損傷による漏水が発生しましたが、透析センターは13日に、化学療法センターは16日に再開できました。透析センターでは、県内病院で透析が出来なくなった患者を受け入れ、24時間体制で透析治療を延べ131名に行いました。
 6日現在でも、外壁の破損部分の修理は行われておらず、内壁の補修部分はそのまま跡が残されており、入院患者の心のケアの視点からも、一刻も早い本格的な補修工事が課題となっています。
 建物の補修と診療機器の修理に要する費用は、3億円を超えると試算されており、減収分の1億3000万円を加えると、被害総額は4億5000万円程度になると事務局より説明を受けました。
参考写真 永井院長は、「唯一の県立総合病院として、災害拠点病院として、一時的にも診療を縮小しなくてはならなかったことは、非常に残念でした。県民の皆さまにお詫びしなくてはなりません。しかし、建物や機器の大規模な損傷に比べて、診療体制への影響を最小限に抑えることが出来たと考えています。特に、ライフライン関係では、一昨年約10億円を投じて、非常用電源の容量を倍にしたことが功を奏し、3日間の停電を切り抜けることが出来ました。2月にオープンした救命センターが間に合っていなければ、200人以上の入院患者の治療を続けることは出来ませんでした。災害医療センターが3月にスタートしていましたので、外来の受付や結核病棟の移転先として活用することが出来ました。ここ数年間の集中的な施設整備によって、病院機能の根幹が維持できたと評価しています」と一連の震災対応を総括しました。
 井手県議の「今後の課題は」との質問に対しては、永井病院長は「一つに、建物内外の補修を一刻も早く行うこと。二つに、手術室の機能充実」との2点を指摘しました。「特に、手術室の機能は限界に達しており、夜勤の出来る看護師の不足、麻酔科医師の不足の2つの課題を早急に解決したい」と語りました。