110509setumei 5月10日現在で、東日本大震災の被災者313人が茨城県内に避難しています。主な避難先は、取手市の取手競輪所選手宿舎79人やつくば市内のホテル110名などとなっています。
 一方、つくば市内の公務員宿舎は501戸は受け入れの準備が整っているにかかわらず、入居が決まっているのは21世帯に止まっています。 
 東北地方からの被災者の県外でのアパートなどへの入居が進まない理由の一つに、一度、茨城県内の仮設住宅(公営アパートを含む)に入居すると福島県の仮設住宅に移れない恐れがあることが大きいといわれており、4月30日付け茨城新聞の一面のトップ記事に、下記のような内容が掲載されました。
 しかし、国はすでに、「平成23年東北地方太平洋沖地震に係る災害救助法の弾力運用について(その3)」との文書を発信し、「公営住宅等を避難所として利用している被災者の方が、その後、応急仮設住宅に入居することも可能であるのでこの旨了知されたい」と、明確にうたっています。
 また、5月9日行われた公明党地方議員への国の一次補正についての説明会でも、この点が取り上げられました。赤羽一嘉事務局次長(前衆院議員)が、「県外の公営住宅に入居している避難者は、(地元に建設された)応急仮設住宅に入居する資格を失うのか」と質問いに対して、厚労省の担当者から「県外の公営住宅等へ避難している被災者の方々でも応急仮設住宅に入居することはできる」との明確な回答がありました。
 今後、茨城県にあっても、この見解を徹底して、東北地方からの避難者の皆さんが安心して、茨城県内に一時避難できるよう対応していきたいと思います。
(写真は、5月9日開催され公明党被災地県本部代表に対する、各府省庁からのた第一次補正予算の説明と意見交換会の模様)
福島避難者 県内仮設入居で帰郷できない恐れ
仮設間の移動、国認めず

茨城新聞(2011/4/30)
 東日本大震災と福島第1原発事故の影響で県境を越えて避難所や親戚宅などに身を寄せる福島県の被災者が、本県内の仮設住宅に入居すると福島県の仮設住宅に移れない恐れがあることが分かった。災害救助法を所管する厚生労働省が「仮設」間の移動を認めず、福島県は「故郷に帰りたい被災者の気持ちを酌んで」と弾力運用を訴えている。福島県の要請で県は旅館やホテルを避難所に活用しているが、復旧工事関係者の需要が高まり部屋の確保が難しくなりつつある。滞在が長期化する被災者に安息の仮住まいをどう提供していくか、課題は山積だ。
■「ばかな話」
 県内避難所で暮らす福島県被災者は28日現在で363人。県内学校が受け入れた福島県内の児童生徒519人の内訳は、避難所36人に対し親戚宅・アパートなどが483人に上り、県は「親戚・知人宅に身を寄せる福島県民は多数いると推察するが、把握し切れていない」と話す。
 「仮設から仮設への移動を厚労省が認めていない。国に要請中だが、茨城県内の仮設に一度入居すると福島で整備中の仮設に入れない可能性がある」。25日開かれた市町村連絡会議で、福島県側の説明に出席者から驚きの声が上がった。
 災害救助法は住宅が全半壊した被災者に仮設住宅を一定期間提供すると定めているが、仮設間の移動を想定していないためという。
 県関係者は「隣がうるさいとか便利で新しい仮設に引っ越したいとか、今回そんな理屈じゃない。福島に帰りたくても帰れない。福島の仮設整備が間に合わないから本県に滞在する被災者に故郷に戻る資格がないなんて、ばかな話があるか」と憤りを隠さない。
 国や県は、つくば市内にある国家公務員宿舎501戸を仮設住宅として用意。第1陣21世帯が近く入居予定だったが、県担当者は「厚労省の方針が阻害要因となり、二の足を踏む被災者も。みんな故郷に帰りたい希望が強い」と顔を曇らせた。
(以下略)