学校での放射線量基準を明確に、具体的対応を強く要望
参考写真 6月13日、県議会文教治安委員会が開会され、震災対応の補正予算などが審議されました。
 井手よしひろ県議は、県内小中高等学校の放射線に対する対応について、執行部の考えを質しました。
 井手県議は、質問の前提として6月6日に開催された文科省担当者による「学校の放射線量に係る説明」の内容を確認しました。
文科省担当者による「学校の放射線量に係る説明」(2011/6/6)
* 文科省が示した「児童生徒が学校で受ける放射線量について、年間1ミリシーベルトを目指す」発言の趣旨は、あくまでも学校生活に限定したものである。
* 学校の校庭利用判断の目安(1時間あたり3.8マイクロシーベルト)に引継続いて維持。8月末までに見直しを行うため、現在検討を進めている。
* プールの水質基準については、現在検討を進めており、近日中にしめす予定
 その上で、井手県議は「この文科省基準は明らかにまやかしであり、ダブルスタンダードである」と、厳しく指摘しました。
 4月19日、文科省が福島県内の小学校等での被曝量について、『年間1〜20ミリシーベルト程度』との基準を決定は発表しました。年間2 0mS vという基準の是非は別に議論するとして、1年=1日×3 6 5日として1日の線量を計算。その上で、子供は8時間を屋外で生活。16時間は木造の室内で生活(外に比べて木造住宅の被爆量を4割として計算)するとの家庭で、時間あたりの線量基準を3 . 8μS vとしました。
 これは、年間20ミリシーベルト=年間20,000マイクロシーベルト=(時間3.8マイクロシーベルト×8時間+時間3.8マイクロシーベルト×0.4×16時間)×365日という関係式で表されます。
 一方、5月27日の高木義明文科相と鈴木副大臣の記者会見では、「今年度学校において児童生徒等が受ける線量について、当面年間1ミリシーベルト以下を目指す」と発表しました。当初、この数字を子供たちの生活全体をさして、年間被爆量を1ミリシーベルトに抑えるとの発表と理解したのは、間違いだったようです。
 井手県議は、独自の資料を示しながら、高木文科相の「学校において」という6文字に、からくりがあると批判しました。
参考写真 4月19日の年間20ミリシーベルト、1時間3.8マイクロシーベルトとい言う基準から、「1日8時間学校で年間200日過ごす」ことだけを対象にして、年間1ミリシーベルトと基準を発表したということです。基準自体が、全くすり替えられたことを文科省は十分に説明していないし、マスコミの報道も不足していると指摘しました。
 また、文科省の積算の基準を資料を示しながら、放射線量の平均低減率(0.71)や学校の校庭と通学路の比率(校庭を1とすると校庭外は0.61)などについて、文科省から県の教育委員会に説明があったのか問いただしました。教育庁の保健体育課長は「文科省から一切の説明は受けていない」と答えました。
 さらに、井手県議は5月27日の文科省会見で、鈴木副大臣は「国におよる財政支援の基準を、校庭・園庭の空間線量率が毎時1マイクロシーベルト以上の学校」と明言していることについての県の見解を求めました。井手県議は「子供たちの生命と健康、その未来を守るために、学校における放射線の基準を時間あたり3.8マイクロシーベルトから、1マイクロシーベルトに変更すべき」と強く主張しました。
 こうした質疑を踏まえて、井手県議は、以下の5点を小野寺教育庁に要望しました。
  • すべての公立学校での放射線量調査し、その結果をすみやかに公表するこ
  • 放射線量計をすべての公立学校に配布すること
  • 教員・養護教員に対する放射防護に関する教育の徹底すること
  • 積算線量計(ガラス線量計)をすべての公立学校に配布し、継続的な放射線の影響について調査すること
  • 学校給食の食材の産地を公表すること