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 8月22日から、東日本大震災で被災した個人や企業が既存のローンに加え、新たな借金を抱える「二重ローン」問題に関して、住宅ローンなどの個人債務に関しては「個人版私的整理ガイドライン(指針)」に基づく債務減免の受け付け制度がスタートしました。
 私的整理とは、借金の返済が難しくなった場合に、お金を借りた側と貸した側が話し合って解決策をまとめる手法。私的整理には決まった形式がないため、ガイドラインで債務の減免を行う基準や手続きを定め、債務者の生活再建を促すことになりました。
参考写真 裁判所を通した公的整理とは異なり、債務整理を行っても、信用情報機関の情報網(ブラックリスト)に記録が残らず、クレジットカードの利用などができるメリットがあります。
 ガイドラインの対象は、(1)震災(原発事故含む)で生活基盤を失い、借金の返済ができない(2)返済不能に陥るのが確実―などの条件を満たす個人や個人事業主です。債務者に安定した収入があるかなどが対象の目安となります。
 ガイドラインに基づく私的整理の手続きを担うのは、弁護士らからなる第三者機関「個人版私的整理ガイドライン運営委員会」。債権者(銀行など)への債務整理の申し出や弁済計画案の作成に対する支援、債権者間の調整などを行います。
 私的整理には、申し出から3カ月以内に弁済計画案を策定し、6カ月以内に、すべての債権者から同意を得ることが必要です。
公明の主張受け 弁護士の支援費用に補助
 公明党は運営委員会の費用を債務者が負担しないよう強く主張しました。これを受け、金融庁は8月19日、運営委員会の弁護士費用を国が補助する方針(個人的に依頼した弁護士費用は別)を発表しました。
 22日より被災した債務者からの問い合わせなどに応じる個人版私的整理ガイドライン運営委員会の連絡先は以下の通りです。受付時間は平日午前9時から午後5時です。
【コールセンター】0120―380―883(フリーダイヤル)
【東京本部】03―3212―0531
【青森支部】017―721―1015
【岩手支部】019―606―3622
【宮城支部】022―212―3025
【福島支部】024―526―0281
【茨城支部】029―222―3521
参考:個人債務者の私的整理に関するガイドライン