年金議論なき一体改革案は誠実か
ロイター通信ネット版(討論×闘論)2012/1/24
 公明党の山口那津男代表も19日のロイターのインタビューで、一体改革素案は最低保障年金制度や年金一元化の具体案を欠く「不誠実な内容だ」と批判した。
 山口代表はさらに、公明党独自の試算をもとに、月額7万円の最低保障年金を全額消費税で賄うとすれば、現行制度に比べて「さらに10%近い消費税の上乗せが必要になる」とし、制度設計によって上乗せ幅を圧縮したとしても「6─7%以上の上乗せになる」と見通し、制度として無理があるとも指摘。具体策を示さず逃げている政権与党の姿勢を批判した。
 これに対して岡田克也副総理兼社会保障・税一体改革担当相は22日のフジテレビ番組で「年金抜本改革に必要な財源は今回の10%には入っていない」と述べ、15年度に10%に引き上げた後も、社会保障充実にさらなる増税が必要になるとの認識を示した。

 冒頭、ロイター通信の日本語インターネット版「討論×闘論」(1月24日付)の後半部分を引用させていただきました。
 岡田克也副総理や藤村修官房長官が年金制度の抜本改革を行った場合、「消費税率10%では足りない」と発言し、民主党の社会保障と税の一体改革の中身が、ブラックボックス化していることが露呈しました。社会保障と税の一体改革の素案で示した消費税10%で足りないのであれば、どれくらい足りないのか、どういう姿になるのかを示す必要が民主党政権にはあります。
 藤村官房長官は23日午前の記者会見で、民主党が主張する最低保障年金の創設と年金一元化を柱とする年金抜本改革を行った場合の財源について、「今、想定しているのは現行制度の維持。将来、延長して計算していくと今のレベルでは足りない」と述べ、2015年に消費税率を10%に引き上げても、一層の増税が必要になるとの認識を表明しました。また、岡田副総理は、22日のフジテレビの番組で、「必要な財源は10%に入っていないから、さらなる増税が必要になる」と発言しています。
 消費税増税の議論の前提には、現行制度と民主党の言う抜本改革の関係性が分かるように、国民に整理して提示する必要があります。そうでなければ、国民が知りたいと思っている議論ができないことは自明の理です。
 公明党は、一体改革について、初めに消費増税ありきではなく、特に年金制度の全体像を明らかにしなければ与野党協議の前提が整わないと繰り返し主張してきました。これに対し野田佳彦首相は、2013年に年金抜本改革の法案を提出するとしていますが、これでは進め方が逆です。今、年金制度の全体像を示した上で、それに沿った議論を進めなければ、2013年の法案提出後、あらためて消費増税に関する議論をやり直さなければならなくなります。
 素案に示された消費税率10%には、最低保障年金の所要額は含まれておらず、その実現には消費税は何%必要なのかなども含め、政府・与党は一刻も早く年金抜本改革の具体案を提示する必要があるのです。