民主党の医療制度案は、財源と運営主体が不明。負担増先行、不安あおるだけ!
参考写真 政権交代が起こった2009年の総選挙。その民主党の勝因の一つに『後期高齢者医療制度』反対キャンペーンがありました。
 現行制度が導入された際、民主党は「うば捨て山」と批判し、高齢者の医療負担は増え、病院にも掛かれなくなると悪宣伝を重ねました。
 それからすでに、2年半近くが過ぎようとしています。民主党が標榜する新しい高齢者医療制度の中身と財源は、未だに明確になっていません。新しい高齢者医療制度について政府・与党の素案で明確になったのは、民主党マニフェストの看板政策である「後期高齢者医療制度の廃止」に向けた見直し法案を今国会に提出するということだけです。
 素案では、政府の高齢者医療制度改革会議の取りまとめ等を踏まえて見直しを行うとしています。その改革会議の案は、75歳(もしくは65歳)以上を現行制度から国民健康保険(国保)と被用者保険に移行させるものです。そうすれば現役世代と同じ医療保険に加入することにはなるが、まやかしと言わざるを得ません。
 まず、75歳以上は国保に加入しても別会計となる点です。現行制度が導入された当時、民主党はこうした年齢による区分を「うば捨て山」と批判したことを忘れてはいけません。新しい制度案でも高齢者は別枠扱いなのです。
 さらに、国保の運営主体という重要な問題も市町村が参加する広域連合か都道府県かで、結論が出ていません。
 75歳以上の医療費は2025年には25兆円に達し、国民医療費の約半分を占めています。そのために、現行の後期高齢者(長寿)医療制度は約10年かけて制度化され、所得の低い人の保険料は最大9割軽減されています。
 そうした経緯を無視して現行制度を廃止するというなら、新制度による医療の将来像を国民に明示するのが筋です。だが、これが全く示されていない。これでは国民の不安をあおるだけです。
 一方、素案づくり段階でも、新しい高齢者医療制度の中身が不透明なまま負担増ばかりが先行し、迷走しています。
 70〜74歳の医療費の窓口負担1割を2割に引き上げる案や、高額療養費の負担軽減の財源として患者が受診するたびに100円をプラスして支払う受診時定額負担などが、早々に議論されています。
 公明党は、受診時定額負担の導入反対と、70〜74歳の窓口1割負担の継続を、政府に強く求めています。
 現行の後期高齢者医療制度、本当に廃止する必要がどこにあるのだろうか?国民も冷静に考える必要があるのではないでしょうか。