参考写真 昨年の臨時国会では改正障害者自立支援法が成立しました。
 障害者自立支援法は、障がい者が地域で自立した生活ができるよう支援する法律です。障がい別(身体・知的・精神)でバラバラだった旧来の福祉サービスを一元化し、障がいの程度に応じて利用者本位のサービスを提供する仕組みを構築するために、2006年に施行されました。
 今回の法改正は、公明党案を原案として2009年3月に国会に提出した改正案と、ほとんど変わっていません。公明党は、現行制度を廃止して2013年8月から新法で対応するという民主党に「3年後に新築の家に移るとしても、現在の“雨漏り”の修理は必要」と粘り強く説得し、改正法の成立をリードしてきました。
 今回の改正のポイントをまとめてみたいと思います。
利用者負担の見直し
 まず第一に今回の法改正では、利用者負担の見直しをおこないました。
 障害者自立支援法は障がい者がサービスの利用量に応じて費用の1割を支払う「応益負担」が原則でしたが、「多くのサービスが必要な重度障がいの人ほど負担が重い」などの批判がありました。そこで、公明党は低所得層への負担の減免など度重なる対策をリード。その結果、利用者の実質的な負担率は0.37%(昨年7月現在、国保連調べ)にまで軽減され、実質的に、家計の支払い能力に応じた「応能負担」となっています。今回の改正では、この応能負担を原則とすることを法律上にも明記しました。
 また、利用者負担の上限額がそれぞれ別々に設定されている「介護給付費」と「補装具費」を合算することで、利用者負担を軽減します。
発達障害を明確に位置づけ
 第二に、「障害者」の範囲を見直し、福祉サービスの対象に自閉症などの「発達障害」を明確に位置付けました。注意欠陥多動性障害、学習障害、アスペルガー症候群などもこれに当たり、どの市町村でも、より支援が受けやすくなります。「高次脳機能障害」も、大臣告示や通知で明確化されます。
障害児支援の強化
 第三に、障がい児支援を強化しました。
 学齢期の子どもの放課後や夏休みなどの居場所の確保へ、「放課後等デイサービス」が制度化されます。児童デイサービスは18歳未満が対象ですが、必要なら20歳に達するまで利用できるよう特例が設けられました。
 また、保育所などに通う障がい児が集団生活になじめるよう専門的な支援を行う「保育所等訪問支援」も創設されます。
地域での自立生活支援を充実
 第四に、地域での自立生活を支援する施策が充実します。
 「住まいの場」の確保へ、日常生活支援が必要な人が共同で暮らすグループホーム、介護も必要な人向けのケアホームを利用する際には、居住費の助成が受けられるようになります。政府は、今年10月から月額1万円を上限に助成(市町村民税課税世帯を除く)する方針です。また、一人では外出が難しい重度視覚障がい者の移動支援を自立支援給付の対象とし、ヘルパーらが援助する「同行援護」サービスが創設されます。
 これらのほかにも、総合的な相談支援センターを市町村に設置するなど相談支援体制を強化し、精神科救急医療体制の整備なども進みます。項目ごとに異なりますが、2012年4月1日までに施行されることになります。