参考写真 3月12日、県議会保健福祉常任委員会が開かれ、井手よしひろ県議は、愛玩動物(ペット)の避難・救護体制について提案しました。
 東日本大震災では、犬、 猫などのペットも大きな被害を被りました。多くの市町村の避難所や仮設住宅は、ペットの同行や同居が認められていないために、飼い主が避難、入居をためらうケースが発生しました。
 また、福島県内の原発事故の避難地域では、避難時にペットの同行が認めらなかったために、大多数のペットが置き去りにされました。
 しかし、こうした同行避難(同伴避難)を認めないやり方は、単なるペットへの感情的な思い入れを超えて、被災者の精神的な負担や、行政の金銭的、人的な労力を考慮に入れても、マイナス面が多いことが検証されています。たとえば、福島県では、放置されたペットを保護するために数億円規模の費用がかかり、数回に及ぶ大規模な捕獲作戦が行われています。大規模災害に備えて、ペットの被災対応をしっかりと決めておく必要があります。
 井手県議ら県議会公明党議員会は、1月に東京都東日本大震災動物救護本部を、2月には福島県動物救護本部の2つのシェルターを現地調査しました。また、3月には、動物愛護団体の関係者から意見を伺うなど、ペットの避難対策について検討を続けてきました。
 その結果をもとに、「大規模災害時にはペットの同行避難を認めるべきで、地域防災計画などに同行避難を明確に位置づけるべき」と、代表質問や委員会の質疑で提案したところです。
 現在、県は3月末を目途に、地域防災計画地震対策編の見直し作業を進めていま す。これは、震災対応の県の具体的指針を取りまとめるもので、市町村の防災計画の方向性も示すものになります。しかし、現行の地域防災計画では、ペットの被災対応が全く記載されていません。
 一方、環境省が進める動物愛護法改正を契機に、県は、大規模災害時における被災ペット対処計画策定の検討に入っています。動物愛護法の改正では、自治体に計画を義務付けることなどが盛り込まれます。
 井手県議の提案を受けて、12日の保健福祉委員会では、鈴木生活衛生課長は、「同行避難は至極当然なこと。同行避難をしなかったことで、自宅に止まって二次的な被害にあってはならないとと考えています。また、一部の市町村では、ペットの同行避難を認めていないところもあり、早急に対応を検討する必要があります。(井手県議の)代表質問や地域防災計画案へのパブリックコメントでの提案を踏まえて、地域防災計画に(ペットの同行避難)を盛り込む方向で検討する」(答弁の取意)と答弁し、地域防災計画にペットの同行避難を明記するとの明言しました。
 井手県議は、この答弁をもとに、「単にペットの同行避難を求めただけでは、犬・猫を嫌う避難所もおり、飼い主の啓発や動物愛護団体や獣医師会との連携など、多角的なペットの避難態勢を構築していただきたい」と、訴えました。
 さらに、県内市町村の地域防災計画には、ほとんどの自治体でペットの対応が記されていません。井手県議らは、今後速やかに、県の地域防災計画の見直しに準拠して、改正するよう市町村の公明党議員に働きかけます。特に、日立市、土浦市、つくば市の地域防災計画では、 ペットの避難所への同伴が禁じられていますので、早期の改正を目指します。