参考写真 3月26日、茨城県の防災会議が開かれ、東日本大震災を受けて県地域防災計画の見直しが決定しました。阪神淡路大震災を受けて実施した1995年度の改訂以来、16年ぶり大幅改訂となりました。
 これには、井手よしひろ県議ら公明党の主張も随所に盛り込まれ、女性や障がい者、高齢者に配慮した避難所運営やペットの同行避難を求めた新たな体制づくりなどが盛り込まれました。
 今までの防災計画は、(1)震災編、(2)風水害編、(3)原子力編の3部構成でしたが、新たな計画では震災編を地震と津波に分け、4編の構成となりました。
 地震編に新たに盛り込まれた内容は、
  • 多様な通信ネットワークの活用(衛星携帯電話・エリアメール等の活用促進等)

  • 防災行政無線等の情報通信設備の機能の向上

  • 避難所の耐震化、通信回線の確保、自家発電設備の整備

  • 女性への配慮(更衣室、授乳室、洗濯物の干し場の設置等)

  • 民生委員、消防団、自主防災組織、警察等関係機関が連携した災害時要援護者の避難誘導体制の整備(災害時要援護者の情報共有等)

  • 災害時要援護者への配慮(避難所の段差解消等)

  • 福祉関係団体との協定締結による要援護者避難対策の強化

  • 福祉避難所の設置・指定の促進

  • 愛玩動物の保護

  • 医療機関における自家発電設備の整備・強化(燃料備蓄48時間→3日間)

  • 医療機関における医療用水(透析等)の確保

  • 医療機関間の緊急連絡手段の確保、連携体制の強化(衛星携帯電話等の導入、患者の転院搬送等)

  • 燃料供給体制の整備及び民間事業者との連携

  • 重要施設及び応急対策車両等の指定及び専用(優先)給油所の設置
 また、津波編では、比較的頻度の高い津波(L1)に対する対策と、東日本大震災のような最大クラスの津波(L2)とを明確に分けて、計画を立案しました。L1津波に対しては、防潮堤などの海岸保全施設等の整備などハード事業で対応します。また、L2津波に対しては、新たに“減災”という発想を取り入れ、住民避難を軸とした総合的な対策を行うとしています。
  • 津波から身を守るための知識の普及(まずは逃げること)

  • 災害時における家族での連絡方法の確認

  • 住民の避難行動につながるような津波ハザードマップの充実

  • 避難誘導標識や避難場所表示等の設置による日常生活の中での啓発

  • 住民の参加による津波情報伝達訓練や津波避難訓練等の防災訓練の実施

  • 防災行政無線,Jアラート,携帯電話(エリアメール)等,津波情報を住民等に伝えるための伝達手段の多様化

  • 民生委員、消防団、自主防災組織、警察等関係機関が連携した災害時要援護者の避難誘導体制の整備(災害時要援護者の情報共有等)

井手よしひろ県議が3月5日に行った橋本知事への代表質問の原稿です。実際に行った質問は時間の関係で、この内容を大幅に割愛した内容になりました。
地域防災計画の改定に当たって
参考写真 この3月末までの改訂を目指して、現在、茨城県地域防災計画の見直しが進められています。地震災害編の見直しにおいて、私ども公明党は「女性や高齢者・障がい者等の視点を生かした災害対策の重要性」を強調しています。県内44市町村に、公明党所属の女性議員が39名おります。名実共に、県下最大の女性議員集団であります。こうした女性議員を中心に、市町村毎に、地域の防災体制の見直しについてアンケートや聴き取り調査を実施しました。その結果等を踏まえ、次のような具体的な提案をさせていただきます。
  • 緊急物資の備蓄等のあり方を女性、高齢者、障がい者等の視点から見直し、市町村に対するガイドラインを呈示すること。また、地方自治体における緊急備蓄整備に対する国の予算措置を求めること。

  • 福祉避難所を市町村毎に明確に定めること。

  • 帰宅困難者対策やJR、TXなどの利用者の避難対策を明確に策定すること。

  • 災害時要援護者ガイドラインについては、要援護者の対象、要援護者情報の共有・管理、避難支援計画のあり方等速やかに見直すこと。

  • 防災訓練に、女性、高齢者、障がい者等の参加を積極的に促す仕組みを取り入れること。

  • 家具の転倒防止等身近な防災対策や災害時に役立つ様々な取組等広報啓発に努めること。

  • 女性、子ども、高齢者、障がい者等が災害時の担い手として活躍できる仕組みを防災対策に取り入れること。

  • 災害発生時に繋がらなくなった携帯電話やスマートフォンなどを、より災害に強いシステムに改善するよう、通信事業者に働きかけること。

  • 災害発生後に女性や子どもへの暴力が増加したという指摘があることを踏まえ、平常時から暴力防止の啓発に努めるとともに、災害が発生した場合、相談窓口を設置し、きめ細やかな被害者支援策を講じること。

  • 防災計画に平常時からの被災者台帳システム構築を明記し、地方自治体における円滑な被災者支援システム構築を促すとともに、災害時に必要なサービスをクラウドで無償提供する仕組みを整備すること。

  • ペットの防災・避難体制も防災計画の中に明確に位置づけ、ケージや餌、治療用薬剤を保健所毎に配備すること。原則、ペットとの同行避難、避難所や仮設住宅などでの同居を防災計画に明記すること。
などです。こうした提案も踏まえ、地域防災計画の震災対策編の見直しの概要について、ご説明ください。
津波防災体制の強化
 次に津波対策について伺います。
 東日本大震災で茨城県の沿岸部を襲った津波は、甚大な被害をもたらしました。死者6人、行方不明1人。床上・床下浸水した住宅は2415棟に上り、16漁港が損壊し、漁船466隻が被災しました。茨城港、鹿島港など県内全ての港湾も一時機能を失いました。
 津波の最大高は、北茨城市平潟港の6.7メートル、鹿島港も5.6メートルを記録しています。浸水面積は全県で25.4平方キロメートに達し、2007年に公表した津波浸水想定区域の約2倍にも達しています。
まず、なぜ津波想定がこのように食い違ってしまったのか、その要因を明らかにする必要があります。その上で、津波想定の早急な見直しを図る必要があります。
 また、今回の津波対策では、比較的頻度の高い津波(L1)に対する対策と、東日本大震災のような最大クラスの津波(L2)とを明確に分けて、対策を計画することになりました。
 L1津波に対しては、防潮堤などの海岸保全施設等の整備などハード事業で対応し、L2津波は、新たに"減災"という発想を取り入れ、住民避難を軸とした総合的な対策を行うこととしています。
 こうした新たな考え方から、茨城県の課題を見てみると、…吐半霾鵑療礎システムの整備、⊆行地域のように平坦な地形で避難場所が確保できない地域の対策、E賈銘亙の「津波てんでんこ」という言葉で象徴される、"強い揺れを感じた場合、迷うことなく迅速かつ自主的に避難する"という津波防災意識の定着、の3つの課題があると思われます。
 津波情報伝達システムの整備には、何と言っても市町村毎に防災行政無線のシステムを整備する必要があります。特に、沿岸市町村では、出来るだけ早くデジタル方式の戸別受信システムを整備しなくてはなりません。大規模津波の前には、当然、大規模な地震が発生しているはずですので、防災行政無線の基地局の耐震強化や停電対策が必要なのは論を待ちません。
 鹿行地域、特に神栖市の津波対策は喫緊の課題です。茨城沖、房総沖いずれの海溝型地震の不安もある中、津波の際に逃げる高台がないのです。
 新聞報道によると、震災当日、利根川に架かる「利根かもめ大橋」は、千葉県側に避難する車列で一時、大渋滞に陥りました。神栖市内で唯一"高台"と呼べる標高23メートルの神栖済生会病院に、市民は殺到したといわれています。道路も駐車場も空地も、病院周辺は避難車両で埋め尽くされた。救急車も身動きできない状況でした。神栖市は、病院や民宿、ホテルなど3階建て以上の建物11カ所を「緊急避難ビル」に指定し、監視カメラを波崎の海岸線と鹿島港に設置するなど、津波対策を決定しています。
 しかし、約9万2千人の市民、鹿島コンビナートに勤務する人たちを、どのように避難させるかは大きな課題であり、茨城県の震災対策の肝でもあると指摘しておきたいと思います。
 そして、津波対策は何といっても、防災意識を高揚させることが大切です。俗に"釜石の奇跡"と言われるように、徹底した防災教育を施し、子どもたちに「地震が来たら、とにかく高台に逃げろ」と繰り返し教え、訓練を行った結果、釜石市では児童・生徒の津波犠牲者は一人も出ませんでした。学校や地域での防災教育、避難訓練など行政の責任は大きいと思います。
 以上の点を、新たな地域防災計画の津波対策編にどのように反映していこうとされているか、橋本知事にお伺いいたします。