20120420-220420063-13 4月25日、公明党の厚生労働部会(部会長:渡辺孝男参議院議員)が開かれ、ポリオ(小児まひ)の不活化ワクチン承認と今後の導入方針などについて、厚労省から報告を受けました。
 ポリオワクチンについては現在、ウイルスを弱毒化した生ワクチンが用いられており、100万人に1.4人程度の確率でポリオ同様、手足のまひなどを発症するとされています。このため保護者からは、ウイルスを無毒化した不活化ワクチンの早期導入を求める声が高まっていました。
 厚労省の担当者は不活化ワクチンについて、「金曜日(4月27日)までに薬事法上の承認を予定している」と報告。9月1日には不活化ワクチンに全面移行するとの方針を伝えました。その上で、「導入当初に接種が殺到すると供給量が足りなくなる。国民への周知を図りたい」と述べました。
 そもそも不活化ポリオワクチンの導入については、2002年に当時の坂口力厚労相(現公明党副代表)が「不活化が望ましい」との意向を示し、議論が具体化しました。
 しかし、厚労省は国産ワクチンの製造にこだわり続けました。01年に製造承認を申請していたメーカー1社が05年に開発を断念。これでも、厚労省はなおも国外からの輸入に頼ろうとせず、10年に大手も含めた国内メーカー4社に開発促進を要請していました。
 その後、民主党への政権交代を経て、今回、やっと承認にこぎつけました。しかし、皮肉なことに、承認内定は国産メーカーではなく、フランスのサノフィパスツール社でした。
 不活化ワクチン承認までの長い道のりで、ポリオの会の皆さんの地道な活動、不安な気持ちを訴える保護者の声に答え、自らのリスクで輸入ワクチンを取り入れ摂取してくれた医師の皆様、積極的に導入を先行させた神奈川県などの地方自治体関係者の皆さんに、深く感謝いたします。
 この問題は、長期の活動にかかわれる当事者が絶対的に少ないという特徴がありました。子どもを持つ親も、身内に感染がなければ一過性の問題として過ぎ去ってしまいます。厚労省や地方自治体の関係者も数年でその持ち場を離れてしまいます。
 そう考えると、強い意思を持って不活化ポリオの問題に取り組んだ政治家が少なかった。そう率直に反省する必要があるかもしれません。