参考写真 6月20日、井手よしひろ県議、公共最終処分場「エコフロンティアかさま」を訪れ、財団法人・茨城県環境保全事業団の市毛優理事長から、レベニュー債による資金調達の成果や東北2県の震災がれきの受け入れ態勢などについて聴き取り調査を行いました。これには、八島功男県議、笠間市議会の野口圓議員、石田安夫議員が同行しました。
 県環境保全事業団は、茨城県の第三セクター。1993年に県が約8億円を全額出資して設立されました。2005年に「エコフロンティアかさま」を開業。その建設費約246億円のうち約182億円は、国の政策投資銀行などからの借り入れで調達しました。
 しかし、建設地選定に際して地元住民などの強い反対運動が起こったことなどにより、僅か10年間で事業を終了させるとの同意のもとに事業がスタートしたために、毎年約20億円の借入金返済が発生することになりました。折も折、資源を大切にしようという国民の意識変化もあり、ゴミの減量化・リサイクル促進などが功を奏し、最終処分されるゴミが集まりにくくなってきました。(1993年度に約144万トンだった県内の産廃の最終処分量は、リサイクル関連法の浸透などで、98年度約59万トン、2003年度約20万トンと、10年間で約7分の1に激減しました)
 当初予定していた年間の売上げ目標の46億円は、半分から6割程度の約25億〜30億円の間で推移するようになりました。毎年の施設のランニングコストが約15億円を要することもあり、毎年20億円にも上る借入金返済に困難をきたすようになりました。県は(1)民間金融機関からの借入金に関しては、茨城県が損失補償契約を締結、(2)返済原資に比して単年度の返済額が過大であることから、資金不足を茨城県からの短期貸付金で対応する──といった、いわば小手先の対応を繰り返してきました。

 その後、茨城県は地元住民と粘り強い交渉を行い、10年の事業期間を30年程度に大幅延長することに同意を得ることが出来、県の損失補償に依存しない超長期資金を、どのようにして調達するかを検討してきました。当初は民間金融機関からの超長期資金調達を模索しましたが、償還20年以上の希望に各金融機関とも門前払いの状況でした。
 このような状況下、2010年6月議会の総務企画常任委員会で、井手県議が「レベニュー債」という全く新たな仕組みでの資金調達法を提案。県の財務担当部署は、その年の夏には、世界最大の投資銀行であるゴールドマン・サックス銀行と接触。将来の処分場の収益を新生信託銀行に信託して証券化して、優先して利益を受ける権利(優先受益権)をゴールドマン社に譲渡して投資家に販売、約100億円を調達する内容で合意しました。償還期間24年以内で調達金利は2.51%と決まりました。
 レベニュー債とは、上下水道や電力といった公益事業、病院、公営住宅、有料道路などの利用収入を元利返済に充てる債券で、米国では一般的な地方債となっています。
レベニュー債導入で財務体質が大幅好転
 県環境保全事業団がレベニュー債を発行する最大のメリットは、従来の資金調達には民間銀行から借り入れていた約90億5000万円に、県の損失補償契約(返済が困難になった場合は、県民の税金で補填するという契約)が付いていたが、レベニュー債導入で損失補償を外すことができた点です。さらに、投資家が信託受益権を保有していることで、今後事業に無駄が生まれないような監視がされ、財政規律が生まれることです。
 レベニュー債導入により、県環境保全事業団の財務内容が大幅に好転しました。毎年の返済金額は約4億円程度に圧縮されました。初年度である2011年度は、返済予定の約3億円に対して、震災による売上増も相まって、15億円も返済することが出来ました。30億円程度の売上がキープできれば、24年の返済予定期間も7年以上短縮することが可能と試算されています。
 現在、格付け会社ムーディーズ・ジャパンから県環境保全事業団は、A1(全21段階で上から5番目、日本国債はAa3で上から4番目)と、確実な投資先として評価されています。
 茨城県のレベニュー債導入の取り組みは、内外の金融機関や専門家から高く評価されています。今年5月17日、金融情報提供会社であるトムソン・ロイター・マーケッツ株式会社による「DealWatch Awards 2011(ディールウォッチ・アワード2011)」において、県環境保全事業団が、「Innovative Debt Deal of the Year」を受賞しました。
2010年6月井手県議が提案、岡本三成氏が推進
 先にも述べましたが、レベニュー債の導入については、平成22年6月県議会総務企画委員会で、井手県議がその導入を提案。茨城県はこの質問をキッカケに、ゴールドマンサック社と共に、レベニュー債の発行について検討を始めました。このゴールドマンサックス側の責任者が、公明党の次期衆院選候補者として公認された岡本三成氏でした。