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参考写真 社会保障と税の一体改革では、公明党の推進で消費税増税に際し低所得者対策が実施されることになりました。年金額の少ない低所得者に「福祉的な給付措置」、税制分野では低所得者に現金を支給する「簡素な給付措置」が実施されます。加えて消費税率を8%に引き上げる段階で「軽減税率」を、10%段階でこの軽減税率と併せ「給付つき税額控除」の導入が検討されます。
 このブログでは、消費増税に伴う低所得者対策をまとめておきたいと思います。
実質的には加算年金制度として、福祉的給付、月5000円支給
 受け取る年金額が低い高齢者や障がい者への対策として、消費税率が10%になる2015年10月から、「福祉的な給付措置」が行われることになりました。
 これは年金とは別枠でお金を給付する制度ですが、実質的には公明党がこれまで主張してきた加算年金制度といえます。保険料を満40年間(480カ月)納めた人には月5000円を給付し、これよりも保険料の納付期間が短い人は、納付期間に応じた給付があります。対象は家族全員が住民税非課税で、年金を含めた所得が77万円以下の方です。給付対象者は約500万人と見込まれています。障害1級相当の人の給付額は、1.25倍とします。
 この福祉的給付は、別に法律をつくる必要があります。この法律を消費税率引き上げまでに成立させることを、3党の修正合意の中に盛り込ませました。
簡素な給付措置(現金給付)を、本格的な措置を開始するまで継続的に実施
 2014年4月の消費税率8%への引き上げ時に、低所得者に対して「簡素な給付措置」として現金を給付するものです。その対象や給付額は検討中です。
 1989年の消費税導入時と97年の税率5%への引き上げ時には、低所得の高齢者らに対し「臨時福祉特別給付金」として、1人当たり年額1万〜5万円が給付されました。
 公明党は民主、自民両党との修正協議の中で、消費税率引き上げに伴う低所得者対策として、軽減税率か給付つき税額控除が本格的に導入されるまでの間は、簡素な給付措置を継続的に行うべきだと主張しました。
 その結果、名称は「簡素な給付」ですが中身については、過去の引き上げ時よりもさらにしっかりとした内容の対策を、法制化も含めて確実に実行していくことが、3党間で確認されました。
軽減税率を8%導入から検討、逆進性の緩和へ生活必需品など税率を低く設定
 消費税には所得が低い人ほど負担が重くなるという逆進性の問題があります。このため、公明党は消費税率引き上げに際しては、食料品など生活必需品の税率を低くする「軽減税率」を導入するよう強く主張。消費税率を8%(2014年4月)、10%(15年10月)にそれぞれ引き上げる際、低所得者対策の選択肢として検討する旨を法案に明記させました。
 欧州では消費税に当たる付加価値税が20%前後と高率ですが、多くの国が軽減税率を採用しています。例えば、標準税率20%の英国では、食料品や飲料水、新聞・書籍、医薬品などの税率はゼロ、家庭用の燃料や電力などは5%という軽減税率を設けています。
 当初の政府提出法案には、軽減税率について明記されていませんでした。公明党が粘り強く訴えた結果、取り入れられました。
給付つき税額控除、10%導入から検討。所得税額を減税。恩恵ない層に現金給付
 税額控除と手当給付を組み合わせた「給付つき税額控除」は、消費税率を10%に引き上げる段階(15年10月)で、「軽減税率」とともに低所得者対策の選択肢として導入を検討します。
 この制度は、消費税率引き上げによる負担増の一部を所得税額などから差し引く(税額控除)とともに、減税の恩恵が受けられない低所得層には、現金を給付するという仕組みです。5万円の給付つき税額控除を実施する場合、税額が15万円の人は5万円が差し引かれて10万円を納税。税額が3万円の人は納税額はゼロで、差額の2万円が給付されます。
 制度導入には国民の所得額や納税額を正確に把握する共通番号制度の整備などが必要になります。このため、消費税率8%段階(14年4月)では当面、低所得者に現金を支給する「簡素な給付措置」の実施としました。