参考写真 7月7日より、牛久市では、次世代を担う子供たちの健康守るともに、内部被ばく対す不安軽減のためホールボディカウンタによる内部被ばく線量測定を実施しています。
 ホールボディカウンタは一般用に保有する病院が限られていため県内で受け入施設はありません。
 今回、福島県にある医療法人誠励会「ひらた中央クリニック」と牛久市が協定を交わし、市民を対象に検査を実施することになっています。小中学校では学校行事に位置付けて、ひらた中央クリニックまでバスで送迎します。
 これは、牛久市議会公明党(尾野政子幹事長)の秋山泉議員が推進し、実現したもので、県内の自治体でホールボディカウンタ検査を導入しているのは、他自治体にはありません。
 昨年3月11日、福島第1原発事故が原因で、県内でも比較的放射線量が高かった牛久市を含む茨城県南地域の親たちは、子どもに放射能の影響が出ないかと不安を抱えていました。2011年11月、県南地域の母親らを中心とする48のグループが、子どもの被ばくの健康調査を求める要望書を連名で県に提出しました。しかし、県は(1)健康被害があるほど高い空間線量を示す地域はなく、かえって不安をあおることになりかねない(2)県にもホールボディカウンターが17台あるが、全て研究機関や緊急事故用であり、一般使用は認められていない等の理由により、検査は実施されませんでした。
 こうした実情や不安の声を聞いた秋山議員は、2011年12月議会で「健康に影響が出るレベルではないとしているが、やる必要がないと言い切っていいのか疑問が残る」とした上で、子どもの被ばくに関する健康調査について、市の見解をただしました。また、12年3月議会でも、政府が「被ばく対策は子ども優先」と提言したことも踏まえ、調査の実施を市に求めました。
 これに対し、池辺勝幸市長は「市民の安心のためには、安全への裏付けが必要」と述べ、健康調査の内容や対象、期間、評価方法などを検討すると前向きな姿勢を示し、今回、福島県にある「ひらた中央クリニック」で、ホールボディカウンター検査を実施することになりました。
 検査期間は、7月7日から12月22日まで5ヶ月半。受診は(1)4歳〜中学3年生の全員(2)高校1年生〜18歳以下の全員(3)希望する市民―との優先順位で行う事になっています。18歳未満の子どもは無料、希望する18歳以上の市民は、通常検査料の半額6000円を自己負担します。(1)の交通費は、市バスまたは借り上げバスで送迎されるため無料で、未就学児は保護者の同伴が必要です。