参考写真 7月20日、宮城県石巻市から震災がれきが搬入され、笠間市の「エコフロンティアかさま」で焼却試験が行われました。安全が確認されれば茨城県内では初めて、8月下旬にも正式に受け入れを始めることにしています。
 茨城県は、県内で発生したがれきの処理にめどが立ったのを受けて、東北のがれきについても、笠間市にある産業廃棄物の最終処分場での受け入れを検討しています。
 正式な受け入れに先立って、石巻市のがれきを試験焼却して安全性を確認することになり、19日夕方、あわせておよそ25トンの木くずなどのがれきを積んだトラック3台がエコフロンティア笠間に到着しました。
 処分場の職員がトラック周辺とトラックから降ろしたがれきの放射線量を測定し、最大でも1時間あたり0.09マイクロシーベルトと、茨城県内での通常の値と変わらないことを確認しました。
 運び込まれたがれきは、一般のごみとともに焼却が行われ、灰に含まれる放射性物質の濃度などに問題がなければ、茨城県内では初めて、来月下旬にも正式に受け入れを始める予定です。茨城県は来年度末までに3万7500トンのがれきを受け入れる計画です。
 19日、木くずなどのがれきを積んだトラック3台は石巻市を午前10時すぎに出発し、約7時間かけて笠間市に到着しました。がれき搬入によって影響があるかどうか調べるため、がれきをトラックに積んだ状態と焼却場に広げた状態で、「エコフロンティアかさま」施設内の空間放射線量を測定。結果は1時間当たり0.07〜0.09マイクロシーベルトで搬入前と同じか、それ以下でした。
 試験焼却は一般廃棄物と混ぜて20日午前にスタートし、焼却後、灰に含まれる放射性セシウム濃度を検査されました。検査結果は来週中にも判明する見込みです。
 環境省によると、石巻地域のがれき量は114万トンで、うち73万トンが県外での広域処理を行う予定です。
 地元紙茨城新聞のインタビューに「エコフロンティアかさま」周辺の住民でつくる福田地区対策協議会の川崎勝美会長は、「空間放射線量は低くかったので安心した。同じ日本人として、東北の復興に少しでも力になりたい」と話していました。また、山口伸樹市長は「受け入れを理解してくれた住民に感謝したい。東北支援の一歩が大きく前進した。受け入れ反対の声も、電話で15件あった。十分に情報は提供していきたい」と語っていました。
 茨城県議会公明党も焼却処分に立ち会いました。「3月県議会で広域処理受け入れを県議会と決議した責任を果たすためにも、(焼却処分の)安全をしっかりと見守っていきたい」と、高崎進県議は強調しました。