参考写真 7月27日、茨城県の橋本昌知事は定例の記者会見で、笠間の「エコフロンティアかさま」で東北地方の震災がれき処理を、焼却試験の結果を踏まえ8月下旬から行う事を表明しました。
 橋本知事は、「『エコフロンティアかさま』で行いましたモニタリングにおきましても受入基準を満足しておりましたが、その後、試験焼却を行ってまいりました。その結果が出てまいりましたので、後ほど皆さん方に資料を配らせていただきたいと思っておりますが、試験焼却前後の放射性物質濃度を比較いたしましてもほとんど同じ数値が出てきておりまして、周辺環境への影響がないことを確認できたのではないかと思っております。私どもといたしましては、これを受けまして、地元住民の皆様にこの報告をし、ご理解を得ていきたいと思っております。そして、地元の方々のご理解が得られましたら、宮城県との受入れに係る基本協定書の締結を進めてまいります。その後、エコフロンティアかさまにおきまして受入れに係る契約等の事務手続を進め、8月下旬には本格受入れが開始できるのではないかと思っております」と、発言しました。
 7月19日、石巻市の震災がれき(可燃物)25トンが「エコフロンティアかさま」に運び込まれ、20日に試験焼却が実施されました。焼却場の煤塵の放射性物質濃度の測定結果は1キロ当たり2230ベクレルと、県が受け入れの条件とした1キロ当たり8000ベクレルを大幅に下回りました。この数値は、搬入前の1キログラム当たり2440ベクレルよりむしろ低くなりました。廃棄物を溶融して固形化したスラグも基準も、基準値8000ベクレルを23ベクレルとクリアしました。処理後の排ガスでは不検出でした。
 茨城県はこの結果を、「エコフロンティアかさま」周辺の住民でつくる福田地区対策協議会の川崎勝美会長に報告。今後、地元の了解が得られれば宮城県と基本協定を結び、本格受け入れに踏み出すことになります。
 搬入元の石巻市では、8月下旬に破砕・選別施設が本格稼働します。このタイミングに合わせて、「エコフロンティアかさま」への受け入れがスタートする見込みです。受け入れ総量は、2013年度末までに可燃物7500トン、不燃物3万トンの予定です。