参考写真 9月22日、公明党は「第9回全国大会」を開催しました。今回の大会は「大衆とともに」の立党精神の淵源となった公明政治連盟の第1回全国大会(1962年9月13日)から、ちょうど50年の節目を迎えて行われる記念すべき大会となりました。
 その大会で、公明党は「原発ゼロ」社会−原発に依存しない社会を構築すことを改めて確認しました。
 昨年の東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発の事故で、いまだに多くの方が苦しんでおり、「原発ゼロ」を求める国民の声は大きなうねりになっています。公明党は、こうした事態を真摯に受け止め、原発に依存しない安全・安心のエネルギー社会をめざします。国民の生命と健康を守ることを最優先し、今後は、新たな原発の着工も認めません。既存の原発についても、運転期間を原則40年とする原子炉等規制法の規定を適用します。
 原発の再稼働問題については、新たに発足した独立性の高い原子力規制委員会が策定する厳格な安全基準にのっとることが大前提です。その上で、国民、住民の理解を得ながら、一日も早い「原発ゼロ」をめざします。
 民主党野田政権は、「2030年代に原発ゼロ」と、いったん叫びながら閣議決定もできず、そのエネルギー政策は迷走を極めています。公明党は、絶対ブレずに「原発ゼロ」を目指してまいります。
原発立地地域の経済に配慮
 原発に依存しない社会を築くためには、経済成長をしてもエネルギーの使用量を増加させない省エネルギーの社会構造が必要となります。公明党は、2030年を目標に、省エネ促進による消費エネルギーの大幅削減、太陽光や風力発電などといった再生可能エネルギーの発電割合を30%に向上させること、火力発電における発電の高効率化などを推進。環境・エネルギー分野の技術革新で新産業や雇用を生み出し、環境に優しい経済成長を実現させます。また、家庭や企業が負担する電気料金の上昇を可能な限り厳しく抑制します。
 公明党は、これまでも再生可能エネルギーなどの推進に全力で取り組んできました。例えば、太陽光発電によってつくられた電力を電力会社が国の定める価格で買い取る制度の導入を最初に決めたのは、自公政権時代です。これが今年7月から実施されている再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の根幹になっています。
 また、エコカー減税やエコカー補助金、家電エコポイントなども公明党が訴えて実現したものです。公明党は、これからも強力に省エネ、再生エネルギー技術の推進に取り組んでいきます。
 さらに、原発の運転停止が原発立地地域の経済に深刻な影響を与えている実態を踏まえ、立地地域の財政・経済・雇用対策に万全を期すことが必要です。
 原発がもたらす立地する地域への経済的影響は非常に大きなものがあります。原発従業員の恒常的な雇用、定期点検時の定期的な雇用。その従業員の生活全般にかかわる経済波及効果。原子力発電所の建設やメンテナンスにかかわる地元企業への発注、電源三法交付金や法人所得税・住民税・核燃料税などの地元自治体への財政的なメリットは莫大な金額となります。
 たとえば茨城県の場合、東海第2発電所の地元への発注額、交付金や公租公課は年間180億円にも達します。原発廃炉といっても、50年近い時間が掛かるといわれ、直ちに地元自治体の収入がなくなることはありませんが、その経済的打撃は無視できません。
 こうした地元の雇用や経済的損出を補填するには、国による地域支援策がどうしても必要になると考えます。具体的に想定されるのが、炭鉱閉山時につくられた「旧産炭地振興臨時措置法」のような法制度です。原発の廃炉によって大きな影響を受ける立地自治体を対象に、従来の原発交付金に代わる時限的な激変緩和策が不可欠です。地元はこれをもとに、将来の自治体財政、雇用、地域振興策について知恵を絞っていくことになります。
核燃料サイクルシステム放棄と直接処理
参考写真 公明党は、現在まで進めてこられた「核燃料サイクル政策」と決別する選択しました。具体的には高速増殖炉もんじゅの廃炉、新たな原発の建設ストップを宣言しました。さらに、それは使用済み核燃料をすべて再利用する「核燃料サイクル」政策の中核施設としての青森県六ケ所村のには再処理工場計画の見直しをも意味します。同じく2008年に着工した青森県大間原発の工事中止対象となります。この原発は、全国の原発から出た使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料だけで運転するフルMOX原発です。核燃料サイクル政策上に位置する原発であり、原発ゼロを謳うことで、その存在の意味はなくなります。
 もし国内の原発を無くすのなら、当然、使用済み核燃料は出なくなります。再処理した燃料を使う原発もなくなるのだから、核燃料サイクル自体が成り立たなくなるのです。余った使用済み核燃料は地中に埋める「直接処分」に転換され、再処理工場は閉鎖されることになります。
 ここまで、腹を決めなければ、「原発ゼロ」は絵に書いたもちになってします。