市場は新政権に力強い経済戦略の実行を迫っています。衆院が解散された11月16日の東京株式市場は、日経平均株価の終値で前日比194円44銭高の9024円16銭と約2週間ぶりに9000円台を回復。流れは週明けも衰えず、21日午前には始値で9200円台を付けました。
 しかし、これら市場の値動きは、民主党政権下で停滞した経済を新政権が前進させてくれるとの期待感からで、本格的な経済回復に後押しされた実需の動きではありません。
 実際、内閣府が19日に発表した9月の景気動向指数(2005年=100)は景気の現状を表す一致指数が、前月比2.0ポイント低下の91.5と、6カ月連続で低下している点は見逃せません。
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 株価回復や過度な円高の抑制には、デフレを脱却できる具体的な政策で経済を自律成長させることが必要不可欠です。そして、デフレ脱却こそ今回の衆院選で国民の関心が最も高い争点でもあります。
 デフレは国民が将来不安から消費や投資を手控えることで、必要な分野に資金が循環しない目詰まりが原因です。この場合、資金を必要な分野へ政策的に誘導することが肝心です。
 公明党が衆院選重点政策の柱の一つに掲げる「防災・減災ニューディール」は、その点でも効果を発揮します。
 老朽化した社会資本の再整備で国民の命を守るだけでなく、10年間で100兆円規模の事業の全国的実施で、国内総生産(GDP)を年間約2%押し上げることが期待できます。また、事業は自治体や公益事業者などによる「全国総点検」で実施の優先順位を決めるため、予算のムダもありません。
 さらに、風力や地熱など再生可能エネルギーを成長産業に育てるため30年までに120兆円規模の追加投資も促すほか、医療など日本の強みを生かした経済成長も力強く推進していきます。
 政権交代後の3年間の経済は実に閉塞感に満ちていました。
 2009年9月の鳩山内閣発足時こそ1万270円あった株価は、東日本大震災への対応の遅れから11年11月には8160円まで暴落しました。さらに、米軍普天間飛行場移設問題や尖閣諸島問題といった外交上の失政に次ぐ失政が国益を損ね、輸出産業などに大打撃を与えた罪は非常に重いものがあります。
 政府・民主党は「日本再生戦略」を掲げるが、この3年間を総括すれば実現性に疑問を持たざるを得ません。
 政権を担う責任感と経験、そして具体的な経済対策を持つ公明党。その期待度は益々高まっています。