12月2日、突然の痛ましい事故が発生しました。山梨県の中央自動車道の笹子トンネルの中でコンクリート製の天井の板が数10メートルにわたって崩落し、複数の車が巻きこまれました。このブログを書いているタイミングでは、事故の詳細はわかっていません。
 一般的にコンクリート構造物の供用年数は壁の厚さに比例しているとされ、日本の旧建築基準で建築された壁厚0.31メートル程度の建造物は普通50〜60年程度といわれており、高度経済成長期に大量に建設された構造物の維持・管理が大きな課題となっています。
 今回の痛ましい事故を教訓とするためにも、徹底した自己原因の究明と、公明党が主張する“防災・減災ニューディール政策”を実施、国内のすべての社会資本の総点検が必要になると思います。
 NHKなどの報道によると、笹子トンネルでは昭和52年の完成。1枚当たりの重さが1トン以上の天井板が、数十枚単位で落下したとみられています。こうした構造のトンネルは、30年前ぐらいまで一般的でしたが、近年はあまり見られないということです。崩落した「天井板」は、片側2車線の路面からおよそ4.7メートルの高さに水平に設置され、半円状のトンネルの上部と車が走る空間とを仕切っています。天井板は道路の中央を境に左右に1枚ずつ連続して設置されていて、中央にある鋼材と、左右の壁に突き出ているコンクリートの台座に、それぞれボルトで固定されています。今回の事故では長さ50メートルから60メートルにわたって、天井板が数十枚の単位で落下し、通過していた車両を直撃したものです。
 天井板を支えている中央の鋼材は、3つの部分に分かれています。まず半円状のトンネルの上部には長さ6メートルのレール状の鋼材がボルトで固定されています。また天井板を載せている部分も、長さ6メートルのレール状の鋼材で、天井板はボルトで固定されています。上下2つの鋼材の間は1.2メートルごとに板状の金具によってつながれていて、金具は上下の鋼材とそれぞれボルトで固定されています。これら道路中央の鋼材には垂直に立てた厚さ10センチのコンクリートの板が隙間なく固定されて、天井の上の半円状の空間を左右に仕切る隔壁となっています。この隔壁を境に、左右の空間にはトンネル外部からの空気と内部の排気とを分けて通し、換気を行っています。
 現在、天井板を設ける構造のトンネルは、同じ中央自動車道の長野と岐阜の県境を通る「恵那山トンネル」の下り線など、全国の12のトンネルにしか残っていないということです。 (以上はNHKの報道より引用)