121222yanaguchi 12月16日、衆院選総選挙を終えて1週間。地元で様々な方に御礼のご挨拶を行い、様々なご意見をいただいています。その中で、もっとも多いご指摘は「自民党・安倍政権の良きコントロール役、ブレーキ役に」との声でした。
 12月20日付の毎日新聞社説には、以下の様な公明党への期待が掲載されました。
公明党 「自民独走」の抑制役に
毎日新聞社説(一部抜粋)2012年12月20日 
 衆院選での自民圧勝を受けて政権に復帰する今回、公明党の役割は以前にも増して重要となるはずだ。私たちは、まずそれを指摘しておきたい。
 政策協議では大型の今年度補正予算案を早期に編成することなどで一致した。しかし、憲法改正問題では衆参両院の憲法審査会で議論を推進するとの表現にとどまる見通しだ。
 「平和の党」を看板にしてきた公明党にとって、憲法9条改正は党の根幹に関わるテーマだ。山口那津男代表が自民党が目指す「国防軍」設置に対し、「長年定着した自衛隊の名称をことさら変える必要性は今はない」と選挙中から強くけん制してきたのはこのためだ。
 一方、自民党の安倍晋三総裁は公明党との連携を重視する考えを示し、当面は憲法改正を強引に進めることは自重しているようだ。だが、仮に来年夏の参院選で自民党が勝利した場合には、9条改正に前向きな日本維新の会などとの連携もあり得るとの見方は自民党内にも強い。
 火種はまだある。エネルギー政策で両党は原発依存度を低下させることを確認したが、「可能な限り速やかな原発ゼロ」を公約に掲げた公明党と、「原発ゼロ」に後ろ向きな自民党との違いはなお大きい。
 また両党は金融緩和を進める点では一致したものの、自民党が前向きな日銀法改正については、公明党は「無理やり法律で物価上昇率目標を義務付けることなどは日銀の独立性を損なう可能性がある」と慎重だ。これら改憲問題、エネルギー政策、日銀法改正に関する公明党の主張は妥当なものであり、今後も強く主張していくべきだ。
 税と社会保障の一体改革に関する自民、民主、公明の3党合意を着実に進める考えを公明党は示している。衆院選後、自民・民主の間には大きな溝が生まれつつあるが、両党のパイプ役を務めることも公明党には期待したい。政策協議では消費増税に関連し、公明党が主張してきた食料品などに対する軽減税率導入も「検討する」ことで合意した。これも一歩前進と評価したい。
 こうした声を受け、公明党の対応を山口代表の発言などから整理をしておきたいと思います。
【憲法改正・集団的自衛権の容認について】
 公明党の山口那津男代表は12月13日、岡山県津山市で記者団の質問に答え、憲法改正についての基本的な考え方を確認しました。
 「(日本維新の会の石原慎太郎代表が憲法9条の改正を主張していることについて)日本国憲法が戦後果たしてきた役割を国民は肯定的に捉えていると思う。石原氏の主張は維新の中でも、考えがまちまちなのではないか。(北朝鮮による拉致事件を石原氏が憲法9条のせいにしたことについて)どうしてそういうロジック(論理)になるのか全く理解できない。非常に飛躍した言い方だ。(石原氏の発言のように維新が右傾化した場合、連携する可能性について)そういう主張が維新全体の主張であるならば、なかなか難しい」と、述べています。
 また、12月8日には、広島市内で「国防軍や自衛権を抽象的、一般的に規定するという憲法改正については、慎重に考えたい」「(集団的自衛権の行使について)必要最低限の自衛権の行使を超えるもので憲法上許されないという政府解釈が今日も妥当。今、変える必要はない」と述べています。
【原発の新増設について】
 公明党の山口那津男代表は、12月22日夜のNHK番組で、原発の新設について「新規着工には到底、国民の理解が得られない。慎重にすべきだ」と述べています。斉藤鉄夫幹事長代行も同日の読売テレビ番組で「現実に今新設ができる状況ではない。(自民党との)連立政権で合意した4年間で認められる状況ではない」と強調しました。
 公明党は原発の新増設に反対しており、自民党との連立政権合意に「可能な限り速やかに原発ゼロを目指す」と明記するよう要求。しかし自民党は10年以内に最適な電源構成(ベストミックス)を確立するとの方針を衆院選公約で示すにとどめており、最終的に「可能な限り原発依存度を減らす」との表現で折り合った経緯があります。
【日銀法改正について】
 政府と日銀が物価上昇の目標を共有し、日銀が無制限に金融緩和を行うよう求める主張が出ており、そのために政府と日銀が政策協定(アコード)を結ぶ必要性が指摘されています。自民党の安倍総裁は、日銀がインフレターゲットなどに積極的な対応を行わないのであれば、「日銀法の改正も視野に入れる」と発言していますが、日銀に対する政治の介入が強まれば、中央銀行としての独立性が損なわれるとの懸念もあります。公明党は政府と日銀が物価目標などを共有する必要性を主張する一方、目標達成に向けた手段については日銀の独立性を尊重すべきとして、日銀法改正には慎重です。
【軽減税率の導入について】
 消費税増税に伴う低所得者対策に関し、食料品などの税率を抑える「軽減税率導入」を求める公明党の山口那津男代表は、22日夜のNHK番組で、「税率8%段階から制度設計に組み込むべきだ。一時的な簡素な給付措置ではなく本格的な低所得者対策が必要だ」と強調しました。
 これを受けて、同じ番組で自民党の石破茂幹事長は「生活必需品は(税率を)下げないといけない。結論を出すべきだ」と発言し、「軽減税率」導入を検討すべきだとの考えを示しました。