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 12月21日、文科省の特別機関である「地震調査研究推進本部」は、今後30年間に震度6弱以上の地震が起きる確率を示した2012年度版の全国地図と、都道府県庁所在地の確率を公表しました。東日本大震災の巨大地震後、大規模な余震が起きる可能性が高いと予想される茨城、千葉両県で2010年版から比べて発生確率が大きく上昇。水戸市で倍増の62.3%、千葉市で11.9ポイント上昇の75.7%となりました。
 全国的には東海、東南海、南海地震が予測される関東から東海、近畿南部、四国のほか、根室沖地震などが予測される北海道東部で高い傾向が続いています。最も高いのは静岡の89.7%で、津87.4%、千葉75.7%、横浜71.0%、奈良70.2%と続いています。
 地震調査研究推進本部は東日本大震災の巨大地震を予測できなかった反省から昨年11月、同じタイプの巨大地震は、マグニチュード9.0規模なら約600年間隔で起きるとする改訂版長期評価を公表。今回の全国図に反映させました。
参考:地震調査研究推進本部の「今後の地震動ハザード評価に関する検討〜2011年・2012年における検討結果〜」
東日本大震災の余震、茨城では100年以上続く
 また、東北大学の遠田晋次教授(京都大防災研究所・地震地質学)は、2011年3月の東日本大震災から今月にかけての1年9か月間に、北日本や東日本で観測された地震活動を分析し、巨大地震以前と比較しました。
 その結果、福島と茨城の県境付近では、巨大地震のあとに起きたマグニチュード1以上の地震が今月までに3万回を超え、以前の数百倍にも上っていることが分かりました。
 また、秋田県南部では以前の20倍以上の1200回余り、長野県中部などでもおよそ3倍の700回近くの地震が観測されています。
 さらに、東京と千葉県、埼玉県など関東南部を中心に、以前は年間60回前後だったマグニチュード3以上の地震が、去年の巨大地震以降、300回を超えています。
 これについて、遠田教授は「巨大地震で各地の地盤にかかる力のバランスが変わってしまって地震活動が活発になっている。さらに、関東では、陸側の地盤がのったプレートが東へゆっくりと移動する変化が起きているため、特に活発になっている」と分析しています。
 また、震災後、地震活動が活発になった地域の観測データを基に、誘発地震の減衰についても研究を報告しています。遠田教授は震災後、地震発生頻度が増加した地域と、減少した地域があることに着目。増加が目立つ地域を対象に、観測データと減衰予測式を利用して、発生頻度が平年レベルに戻る日数を算出しました。
 その結果、活発な地震活動が続く福島第1原発に近い福島、茨城県境では計算上、「800年以上」と算出されました。しかし、時間が進むにつれ本震の震源域のプレートの固着が進み、地震が起きにくくなることなどを考慮し、両地域では「少なくとも100年以上」と結論付けました。
 遠田教授は「大震災の余震は長期間続くと見て、気を抜かずに生活することが大切だ。余震が活発な地域は、火山活動にも影響を及ぼす可能性もあるので、注視する必要がある」と、マスコミ取材に応えています。
参考:県庁所在地における今後30年間に震度6弱以上の地震が起きる確率
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