公明党県議団、専門家を招き勉強会を開催
参考写真 2月13日、井手よしひろ県議ら公明党茨城県議団は、株式会社ミカミの三上靖彦氏を県議会に招き、“インフラの維持管理システム”構築に関して、具体的なご提案をいただくとともに意見交換を行いました。
 公明党が進める“防災・減災ニューディール政策”は、大規模災害から住民のいのちを守るための重要な政策であり、道路や橋梁、トンネルなどのデーターベースの構築は、その基盤を担う重要な考え方な要素です。公共工事の効率化や信頼を高めるために、今まで軽視されてきた公共施設のデーターベース化は絶対に必要です。
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 三上氏は、災害に強い日本を作るためには、「道路や河川、上下水道などの基本インフラに対して、減災の視点から、『防御』『柔軟』『根本改善・撤去』の3つの対応策が考えらる」と指摘。「こうした考え方に立ち、“災害の未然防止”と“災害からの早期復旧”に重点を置いた政策展開が大切です」と強調しました。
 その上で、“災害の未然防止”のためには、「設計図や施工図、使用部材の耐用年数などをデータベース化して、計画的な維持管理や長寿命化の修繕計画、補修や改修等の予防保全策を構築することが重要」と語りました。また、“災害からの早期復旧”には、「災害に伴う参照の原因究明と復旧対策の円滑化などの、再発防止策が必要」と述べました。
 結論として、「道路や河川、上下水道などの基本インフラについて、管理情報のデジタルデータ化を行い、地理情報システム(GIS)を用いた維持・管理を進めることが必要である」と語りました。
 また、こうしたデータベース機能が功を奏した事例として、ネクスコ東日本が、東日本大震災時に常磐道をわずか2日間で使用可能にした事例を上げ、電子化された情報がいかに重要なのか訴えました。
 基本インフラのデーターベースの整備に関しては、国や県も予算や体制整備を急いでいます。
 国土交通省は、道路施設の点検や維持管理の技術基準の見直しを進めるため、有識者による「道路メンテナンス技術小委員会」を立ち上げ、1月28日に第1回会合を開きました。中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故を受けたもので、3月から4月にかけて緊急課題に関する中間とりまとめを行う予定です。
 笹子トンネル事故では、事故後の緊急点検で、1200カ所の不具合が見つかりました。しかし、事故2カ月前の定期点検ではこういった問題点を把握することはできず、点検のあり方や基準、保守・点検の履歴セーターベスの不備が問題視されています。
 会合では、通達、マニュアル、省令などさまざまな形式で出されている修繕維持の基準の現状を受けて、国として必要最低限のものを設定べきであるという意見が出されました。基準が「適宜実施」となっている場合、現場の判断では、点検の内容にばらつきが生じ、問題点の発見できないと指摘されました。
 緊急課題としては、点検についての内容をどの程度強化するかや、使用環境、経過年数に応じた点検頻度や項目を加味すること、点検情報のデータベースや、フォーマットの統一などが盛り込まれる見込みです。
 国会でも、公明党の石井啓一政調会長が、2月7日の衆院予算員会で社会インフラの総点検の問題を取り上げました。石井政調会長は、「補正予算に盛り込まれた防災・減災の取り組みに、社会インフラの総点検の実施がある。この点検の手法、頻度は現在、それぞれの施設の管理者に委ねられており、全国的な基準化がなされていない。点検の手法、頻度をきちんと基準化し、計画的に実施していくことが重要だ」と提案しました。その上で、「老朽化が激しくなる前に、早めに修繕などを行うことで施設を長寿命化し、トータルのコストが縮減するという、予防保全型の維持管理を本格的に導入してほしい」と強調しました。
 これに対して公明党の太田昭宏国交相は、「社会インフラの点検について、きちんとしたマニュアルが徹底されていない。マニュアルの問題はもう一度考え、しっかり徹底したい。また、点検方法では、目視、打音のほか、X線や磁気などを使ったもの(機材)への研究開発を鋭意急いでいる。いずれにしても、なかなか進んでいなかった現状を踏まえ、前に進めるようにしたい」と答弁しています。
 一方、茨城県でも県道に関する計画的な保全・整備推進体制の整備が具体的に検討されています。道路補修のデータベース化やそれに基づく計画的な保守、点検、維持業務を一括して行う部署を、新年度から設置する方向で検討が進められています。
 防災減災のための大型公共事業には、こうしたソフト面での体制整備がどうしても必要です。