参考写真 2月27日、平成24年度の茨城県包括外部監査の結果が、知事と県議会に報告されました。今年度は公認会計士の小林保弘氏と監査契約を結び実施されました。監査の対象は県の出資団体(第3セクター)。全体で340ページに及ぶ膨大な報告書ですが、このブログでは3点にわたって特徴的な監査指摘事項をご紹介します。
 その第一点目は、「オーバー・ナイト・ローン」問題です。オーバー・ナイト・ローンとは、直訳すると一夜債貸付けということになります。決算日が違う2つの団体間で資金を融通し合うことで、財務状況をよく見せようとする手法です。複式簿記の企業会計では、あまり意味を持ちませんが、単式簿記を採用している地方公共団体の経理では、昔から存在していました。
 具体的な外部監査によると、平成24年3月31日の決算日には、以下3法人に対する県の貸付金はゼロになっていますが、1日後の4月1日には、215億3377万円の貸付金が発生します。つまり、3つの出資団体は3月31日に市中金融機関から215億円余りの資金の借入れを受けます。そして、それを県に返済しますので、県の3法人への貸付は決算日にはゼロとなります。翌日の4月1日に県は、3法人に215億円余りを貸出し、出資団体は一日分の利子をつけて、金融機関に貸り入れた金額を返済します。このオーバー・ナイト・ローンは、単に県側の事情であって、出資団体では借入金残高は全く影響がありません。というよりも、たとえ一日であっても銀行金利は発生するために、出資団体の負担が増えるという結果になっています。
 監査法人は、オーバー・ナイト・ローンは決算制度の正確性を歪める行為であり、こうした取引は行うべきではなく、利息も本来払う必要もない、と指摘しています。
 第2点は、出資団体における“埋蔵金”の問題です。茨城県の財政は平成23年度で将来負担率が、47都道府県中ワースト4位と、将来的な資金繰りが厳しい状態です。
 そのような中、出資団体で過剰流動性や特定の支出を目的としない積立金、不必要になった県からの借入金などが在存していることが明らかになりました。必要な運転資金を大きく超えた現金預金などは地方自治体における“埋蔵金”であると指摘しています。
 その内容は、5出資団体で14億8139万円に上ぼっています。特に、茨城県教育財団の財政積立・預金2億4783万円、いばらき文化振興財団の財政調整積立金2億5876万円などが突出しています。こうした余剰資金は、県に戻すべきだと監査では主張しています。
 第3の注目点は、茨城県環境保全事業団のレベニュー債発行に係る手数料の問題です。レベニュー債は、県議会で井手よしひろ県議がその活用の検討を提案して実現しました。今回の監査においても、レベニュー債発行自体は高く評価しています。その上で、レベニュー債発行の初期費用3億円の処理について問題にしています。この3億円は平成23年度決算の中で、一括処理されていますが、監査法人はレベニュー債償還期間で按分計上を行い費用化すべきと指摘しています。
 外部監査制度は、行政の側の監査では発見できない様々な問題点をあぶり出してくれています。その貴重な指摘を無駄にせず、税金の無駄遣いを排除し、効率的な行政運営に務めていきたいと思います。