3月15日、国立循環器病研究センターは、緑茶やコーヒーを摂取する割合が高い人は、脳卒中、脳梗塞、脳出血の発症リスクが低くなるという研究結果を発表しました。
 緑茶やコーヒーの摂取やその組合せが循環器病のリスクにどのように影響するのかはよくわかっていません。そこで、45〜74歳の男女約8万人を平均で約13年間追跡した調査結果をもとに、緑茶とコーヒーの摂取と脳卒中および虚血性心疾患発症との関係を検討しました。今回の研究では緑茶を飲む頻度に関する質問への回答から、「飲まない」、「週に1〜2回」、「週に3〜6回」、「毎日1杯」、「毎日2〜3杯」、「毎日4杯以上」飲むという6つの群に分けて、その後の脳卒中および虚血性心疾患発症との関連を分析しました。また、コーヒー摂取については「飲まない」、「週に1〜2回」、「週に3〜6回」、「毎日1杯」、「毎日2杯以上」飲むという5つの群に分けて分析しました。追跡期間中に3,425人の脳卒中発症と910人の虚血性心疾患発症を確認しました。
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 その結果、緑茶を毎日2杯から3杯飲む人では、まったく飲まない人に比べ脳卒中を発症する割合が0.86倍と、リスクが1割以上低くなっていることが分かりました。
 毎日4杯以上飲む人ではリスクが0.8倍にまで下がり、さらに脳出血に限ると、毎日1杯で発症のリスクが下がり始め、4杯以上で0.65倍になっていました。
 一方、コーヒーも1週間に3杯以上飲む人で、まったく飲まない人に比べ脳卒中のリスクが1割以上下がり、特に脳梗塞に限ると、週に1杯以上で0.87倍と低くなっていました。
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 研究班では、緑茶やコーヒーに含まれる血管を保護する物質や、血糖値を抑える物質が脳卒中のリスクの低下に関係しているのではないかとしてます。
 研究をまとめた国立循環器病研究センターの小久保喜弘医長は「たくさん飲めば良い、というものではないが、飲み物を緑茶やコーヒーに変えれば、ある程度、脳卒中の予防が期待できると思う」と話しています。
 なお、今回の調査でのコーヒーとは、缶コーヒーは含まないということです。
参考:緑茶・コーヒー摂取と脳卒中発症との関連について