参考写真 3月15日、公明党の井上義久幹事長は、国会内で記者会見し、成年後見人が付くと選挙権を失うとの公職選挙法の規定は違憲だとした東京地裁判決について、「立法府として重く受け止め、早急に公選法改正に取り組むべきだ。憲法は基本的人権として選挙権を保障しており、広く認めるのが基本だ」と述べ、被後見人に選挙権を認める必要性を強調しました。
 その上で、認知症や障がいなどで判断能力が十分でない人に代わって財産管理などを行う成年後見制度について「制度自体はしっかり推進すべき」との考えを示す一方で、「さまざまな権利制限があり、選挙権を失うことも普及の障害になってきた」と問題点を指摘しました。
 公明党が被後見人の権利制限の見直しなどを盛り込んだ「成年後見制度利用促進法案」の要綱骨子をすでに発表していることを紹介し、「自民党にも呼び掛け、与党として成立を期していきたい」と意欲を示しました。
 3月14日、東京地裁は茨城県牛久市の知的障害のある女性が選挙権の確認を求めていた訴訟で、女性の訴えを認める原告勝訴の判決を言い渡しました。
 成年後見制度は、知的障害や認知症などで判断能力が不十分な人を守るための制度です。親族や第三者が後見人となり財産などを管理します。しかし一方で、本人は選挙権や被選挙権を失うこととを規定しています。
 女性は読み書きに不自由はなく、選挙を棄権したことはほとんどありませんでした。しかし、財産管理が心配なため、父親を後見人に選任したため、2007年に選挙権を失ってしまいました。
 成年後見制度の目的は財産権の保護です。財産管理能力と選挙権行使能力は別次元の問題です。財産管理に不安があるからといって、政治参加の権利を奪う公選法の規定は制度の趣旨に反するのは明らかです。
 憲法では、20歳以上の全ての国民に対して選挙権を保障し、人種や社会的身分などによる差別を禁じています。後見人制度を利用することで選挙権を失うのは、この憲法の精神を逸脱しています。今回の判決は、たとえ地裁レベルの判断だとしても、至極当然な判断です。国は上告をせず、 直ちに公選法の見直しを行うべきです。
 裁判長は判決を言い渡すと、原告の女性に対して「どうぞ選挙権を行使して社会に参加して下さい」と語りかけました。原告の女性は判決後、「うれしいです。選挙に行きたいと思います」と話しました。