G2(ジーツー)vol13 参議院議員選挙の比例予定候補者である平木だいさく氏がfacebookで紹介していた同志社大学政策学部准教授・柴田悠(しばた・はるか)氏の『いま優先すべきは「子育て支援」』を読んでいます。
 柴田氏の主張は、消費増税を中心とする「社会保障と税の一体改革」では日本の少子高化問題に対応できない、ということです。その上で、経済成長と社会保障を両立させるためには、‐暖饑向の低い高資産高齢者の老齡年金給付をできるだけ削減すること、◆峪勸蕕道抉隋廚魍判爾垢襪海箸裡嘉世重要だと強調しています。具体的には、GDP比0.1%分の高資産高齢者への老齢年金給付を削減し、それによって浮いた公費を「子育て支援現金給付」に充てれば、経済成長率は同じくGDP比で0.59%上昇する計算となるとしています。
 柴田氏が言うところの「子育て支援現金給付」の是非はともかく、総論としては統計的手法による数値に裏付けられた説得力のある主張となっています。
 また、柴田氏は、日本を含む先進18ケ国の2000〜2009年の国際時系列データを分析して、経済成長率を左右するとみられる要因(の効果)を、以下5点具体的にあげてます。
  1. 「政府による老齢年金支出」が増えると、(同年)の経済成長率が下がる
  2. 「政府による子育て支援現金給付支出(児童手当など)」が増えると、経済成長率が上がる
  3. (保育サービス拡充や介護サービス拡充などによって)「女性の労働参加率」が上がると、翌年の経済成長率が上がる
  4. 「自殺率」が高まると、経済成長率が下がる
  5. 「政府による開業奨励金支出」が増えると、翌年の経済成長率が上がる
 “「老齢年金支出」が増えると経済成長率が下がる”との命題には、少し説明が必要かもしれません。老齢年金(日本では国民年金・厚生年金・共済年金)などの給付額の増加は、退職者の増加を意味します。退職者が増えれば、労働人口が減るか、または、新規採用・中途採用が増えることで労働生産性が一時的に下がる。そのため、経済が停滞すると考えられます。また日本では、老齢年金は、その年の現役世代から年金保険料として徴収され、その年の高齢者に給付される賦課方式で運営されています。その際、給付額の一部は、現役時代の所得に比例しているため、老齢年金は「富裕層」により多く給付されます。富裕層は、一般的に消費性向が低くなる傾向があります。それゆえ、現役世代が消費するはずだったお金の一部が、高資産高齢者の貯蓄や海外投資などに回ることになり、結果として消費が鈍る。これも、経済停滞の一因になると考えられると説明されています。
 実際に国の政策決定の中で、高額年金受給者の年金を下げることがようにはできないことを考えると、簡単に子育て支援の予算を捻出することは難しいと言えます。しかし、この柴田氏の一文は、子育て支援の重要性を客観的に教えてくれる、素晴らしい情報であることは否定できません。