サービス付き高齢者住宅の一例 高齢者の力強い味方である「サービス付き高齢者向け住宅」(サ高住:安否確認や生活相談付きの賃貸住宅)の建設に拍車が掛かっています。
 超高齢社会に対応できる住まいの確保が、どうしても必要だからです。サ高住は2011年の高齢者住まい法の改正によって登録制度が始まり、現在12万戸を超えました。政府は2020年までに今の5倍の60万戸を整備する計画です。民間賃貸住宅の空き家を活用したサ高住も整備し、受け皿を広げる方針にもなっています。
 すでに茨城県内でも7月25日現在で、101棟2500室が提供されています。
 政府の社会保障制度改革国民会議は、今月とりまとめた報告書で「病院・施設から地域・在宅へ」との方針を打ち出しており、サービス付き住宅確保への環境整備を急ぐ必要があります。
 厚生労働省は、サ高住について、他の市町村から移り住んだ住民の介護保険給付などを、転居前の自治体が支払う「住所地特例」を適用する方向で検討を始めています。
 介護保険には原則、居住する市町村で加入します。しかし、一律に入居施設のある自治体にしてしまうと、施設が集中する市町村の保険給付費が増大し、財政が著しく圧迫されてしまいます。
 厚労省は今後、都市部の高齢者対策を検討する有識者会議や、社会保障審議会介護保険部会などで議論を進め、来年度にも介護保険法の改正をめざす考えです。
 既に、都市部に住む高齢者が地方のサービス付き住宅に移り住むケースが増えています。移住先となる市町村の介護保険財政の負担増加を避けなければなりません。
 住所地特例は、これまで特別養護老人ホームなどに適用されてきまいた。公明党はこの特例の「適用拡大」を「新・介護公明ビジョン」で提案しています。サ高住にも一刻も早く適用すべきです。
 政府は、高齢者向け介護サービスを在宅中心の仕組みに改める取り組みを進めています。救命や社会復帰を前提とした「病院完結型」の医療から、平均寿命の延びや慢性疾患の増加などによって新たな医療・介護システムが必要になってきているためです。その受け皿の重要な柱の一つが、「在宅型」の一種であるサービス付き住宅の整備・拡充です。自宅に一人でいる時の体調の急変にも応えてくれるので、安心して暮らせます。
 24時間365日、訪問看護・介護が受けられるシステムや住まいの確保など、高齢者の側に立った生活拠点づくりに国と自治体、民間が一体となって努力しなくてはなりません。
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